印西・花の丘公園に生息し、近隣住宅地等に糞などの生活環境被害をもたらしてきたカワウ問題。県は昨年10月、ドローンを活用した新たな対策を実施していますが、その後の調査で、カワウの追い払いに一定の効果があったことがわかりました。

 

鳥類としては大型の部類に入るカワウは近年増加傾向にあり、同公園にて2012年に確認された1,888羽は、県内個体数の3割にも相当。また、以前はカワウがねぐらとしてのみ利用していましたが、2010年春からは公園内での営巣も確認されるようになっており、生息数はさらに増加していると見られます。

 

カワウの糞は多量のリン酸を含有し、公園内の樹木の多くが枯死してしまっています。加えて生臭いような独特の悪臭を放ち、水質や土壌、景観の悪化を招いているのです。また、「グワワワ」「ゲレレレ」という鳴き声騒も深刻で、耳にするだけで陰うつな気分になるとの声も。それが昼夜を問わず辺りに鳴り響くわけで、近隣住民にとっては切実な問題なのです。

 

そのような中で昨年10月に実施されたのが、ドローンを活用した高所での追い払い対策です。カワウが生息するのは木の枝の高い位置。これまでは、すり鉢状となっている花の丘公園の形状から、巣払いや高所での獣害防除用の「リンロンテープ」の設置が難しく、低位での対応にとどまっていました。そこでカワウ対策の先行事例を見つけた地元自治会が、ドローンを活用した高所へのリンロンテープの設置を粘り強く要請。県もその熱意に押された格好で、住宅側の斜面約300メートルに、実験的に設置することとなったのです。

 

さて、昨年の12/13に実施されたカワウ等の実態調査は、ドローンを使用し、上空から鳥の生息状況を動画、写真撮影し分析するというもので、同日の14時と16時の2回行われました。1回目の調査では、テープを張った住宅側には3か所のねぐらに計45羽。住宅側対岸には全体的にカワウのねぐらがあり、約100羽が確認されています。

 

一方、夕方にねぐらに戻ってくる傾向が見られるものの、2回目の調査でも住宅側に戻ってくるカワウはほとんど確認されていません。16時の調査でも住宅側のカワウは63羽にとどまった反面、住宅側対岸は300羽にまで増加しています。また、住宅側と住宅側対岸では明らかに樹木の色が異なっており、住宅側はドローンによるカワウ対策の効果があったものと見られています。

 

県としてはこの調査結果とともに、地域住民からの聞き取りを行い検討していくとしています。地元選出の県議としても、引き続きの効果が得られるようカワウ対策の強化を求めてまいります。