千葉ニュータウン地区の一部の小学校では、児童数の多さから卒業式に在校児童が出席できない事態に。保護者からの困惑の声を受け、市教育委員会に働きかけを行ってきました。

 

 

印西市内に住む保護者の方からご連絡をいただいたのは、昨年9月のことです。お子さんが通う小学校では、入学式や卒業式に在校生の兄弟が出席できないことになっているとのこと。在校児童は保護者席に座ることも認められておらず、保護者が式に出席すれば入学式で2~5年生、卒業式では1~3年生の児童が自宅待機しなければなりません。その方には小学校低学年と年長組の未就学園児のお子さんがいるため、来年度迎える小学校入学式では、新1年生以外の在校児童の子どもさんが自宅にいなければならないことになるわけです。

 

学校側からは祖父母や近隣の友人に預かってもらってくださいとの説明があったそうですが、ニュータウン地区では他地域からの転入者が多く、実家が遠いケースも少なくありません。また、そもそも祖父母には式に出席してもらえないことになってしまいます。

 

すぐさま市教育委員会に確認したところ、今年度、式当日に在校児童を「自宅待機」させている小学校は、入学式については5校、年度末の卒業式については6校(予定)とのこと。市は体育館の収容人数の問題に加え、通常教室で指導などを行うには教員数の不足があるとし、学校長の判断によるものだと説明します。

 

確かに、近年は一部小学校で児童数が急増し、また卒業児童1人あたりの出席者数も増加傾向にあるため、全ての関係者を出席させにくい状況にあることは理解できるところです。とはいえ、3人、4

人とお子さんを多く育てられるがゆえに式に出席しづらいという実

態は、決して看過できるものではありません。

 

まずは、学童保育(学童クラブ)で式当日のみ子どもの預かりができないかとかけあったものの、学童保育は「就労により保育ができない家庭」を対象とした国の事業であり、市の判断で行えるものではないとのこと。また、市が行う「放課後子ども教室」での預かりも現実的でないことがわかりました。

 

そこで市教育委員会に「自宅待機児童の学年の撤廃または縮小」「自宅待機となった児童の(保護者とともに)入学式、卒業式への出席」の実現について、市教育委員会より各学校長に改善するよう呼びかけてもらうよう要望。昨年暮れの市内小学校の校長会ではこの問題が取り上げられ、あとは各学校長の判断に委ねられるところです。

 

市教育委員会、学校としてもより多くの関係者に出席してもらいたいというのは偽らざる本音。実現に少なからぬ障壁があることはわかりつつも、問題解決に一歩でも前進することを期待します。