これまでもお伝えしてきた、ニュータウン(NT)北環状線とそのう回路として利用される白井市道との危険な変形交差点。見通しが悪く、接触事故が多発する実態を指摘し改善を求めてきましたが、来春までに信号機設置等の安全対策が講じられることが明らかとなりました。

 

 

NT北環状線(県道189号線)は、国道464号との交点となる印西市草深と白井市根を結ぶ一般県道。国道464号のう回路になるとともに、地域住民の生活道路として期待されるところですが、白井市清戸の一部区間については未だ開通の目途が立っていません。

 

そもそもは、元地主が県企業庁に道路用地として土地を売却しながら、昭和50年代に同地に産廃物を不法投棄したことがきっかけ。平成3年に、産廃物の上に別事業者が事務所兼資材置き場を設置し占有を始めたため、道路事業を進めようにも「産廃物を撤去しなければならない」「現地主は投棄に無関係」「産廃物上に不法占有者がいる」ということになり、問題が複雑化します。平成24年5月、NT北環状線の工事開始時においても資材等の残置物があったことから、都市再生機構(UR)は事業者に対し、道路地および残地物件移転補償として2億2千万円を支払ったものの、同事業者から道路工事が始まれば騒音、振動等が発生するとして、さらなる補償を求められ泥沼化しているのです。

 

県は、交渉にあたるURが事業者側と和解に至った場合を想定し、産業廃棄物の撤去費用として27年度以降毎年19億円を予算計上するものの、4期連続で「執行額ゼロ」という異例の状況が続いています。

 

ところで、現地でさらに問題となっているのが、地元住民や交差点利用者から「危険」との声が上がる、NT北環状線のう回路として利用される白井市道との変形交差点です。

 

同交差点では、中心的な流れとなっているNT北環状線と白井市道との接続が複雑であることに加え、下り坂となっている市道から車両がスピードに乗って進入しがち。特に白井市方面からの右左折に危険を伴う状況にあり、実際、車両同士の接触事故が多く発生しているのです。

 

昨年の9月・12月県議会にてこの問題を取り上げ、早急な安全対策を求める岩井に対し、県は交差点改良に着手すると回答。今回、印西方面への白井市道と白井方面へのNT北環状線の流れを優先しつつ、信号機を備えた十字路交差点を整備することが明らかになったもので、供用開始は来年3月の見込みとなっています。

 

この交差点は、NT北環状線の未開通区間が解消されれば不要となる「仮交差点」であり、問題が解決した場合には信号機も撤去されることになります。にもかかわらず、今回、交差点改良工事に着手するということは、県・URが北環状線事業の長期化を覚悟するとともに、事業者側との交渉に一歩も引かないという強い意志の表れでもあるわけです。