県が市町村から土地を借り受ける場合、県の優越的な立場から「無償」であることが多く、市町村側から改善を求める声があがっています。岩井は9月県議会でこの問題を取り上げ、県はその運用を見直していくことを明らかにしました。

 

 

県が学校等の県有施設を整備する際、原則として県有地を活用するものの、適当な県有地がない場合には関係市町村と協議

を行った上で、市町村が所有する土地を借り受けることがあります。平成29年に開校した栄特別支援学校(印旛郡栄町)をはじめ、習志野特別支援学校(20年・習志野市)、飯高特別支援学校(27年・匝瑳市)、安房特別支援学校鴨川分教室(27年・鴨川市)の土地は、いずれも地元市町から借り受けたものとなっています。

問題は、県が市町村から土地を借り受ける場合、無償であることが極めて多いことです。

 

上に挙げた特別支援学校4校の土地はいずれも無償。直近5か年(26~30年度)の状況を調べると、県が市町村から借り受けた土地(4万6829平米)はすべてが無償であった一方、同期間に県が市町村に貸し出した土地(3,256平米)では、有償が1,432平米、無償が1,824平米となっており、県による無償借り受けの割合の高さが際立ちます。

 

9月県議会にてこの問題を取り上げるにあたり、県担当課に県と市町村における土地貸借契約の背景について確認したところ、「有償であるか無償であるか等の貸し出し条件は、貸主側(市町村)の判断によるもの」と、あたかも市町村側が進んで無償にしたかの説明。しかし、所有する土地を県に有償貸し付けできれば、市町村にとって貴重な財源になるわけで、「市町村が県に進んで無償にした」というのはありえない話なのです。

 

9月県議会本会議では、県が市町村から無償で借り受けている土地の状況について明らかにするとともに、県・市町村間での土地貸借のあり方を見直すよう強く要望。県より「市町村からの新規借り受けや契約更新をする際、市町村の実情に配慮しながら丁寧に対応する」との答弁を引き出し、市町村が求める有償借り受けの実現に大きな道筋をつけることができました。

 

今後は、県と市町村との貸借契約の交渉に委ねられるわけですが、その際にも地元県議として地域の実情をしっかり訴えてまいります。