9月9日未明に襲った台風15号。停電等のライフラインへ被害が長期化するなどして、これまで経験したことのない深刻な被害に見舞われています。9月県議会では地元印旛管内の問題を取り上げ、早期対策を求めました。

 

 

県が10月4日に発表した「台風15号の影響による農林水産業への被害(7報)」によると、県内農林水産業被害額は、農業施設等が267億円、農作物等が101.8億円など合計で411.6億円。これは、東日本大震災による被害額346億円を大きく上回るものであり、中でも農業用ハウス等の被害が222億円と全体被害額の5割超を占めています。県内外への農業生産品の安定供給を維持するためにも、被災農家の復旧支援は喫緊の課題です。

 

国は10月1日、農業用ハウス、トラクター、畜舎等の復旧費用について、園芸施設共済保険加入者へは全体額の2分の1、共済保険未加入者へは10分の3相当の支援(負担)を決定。さらに自民党千葉県連は県に対し復旧費用の10分の3の支援負担を求め、共済保険未加入農家であっても、市町村負担分を含め復旧費用の10分の8までの公的支援が得られるよう強く働きかけているところです。

 

一方、ハウス栽培ではイチゴやトマトが苗の植え付け期にあたり、特に早期の再建が望まれるところですが、昨年9月の台風24号における農業用ハウス被害では、県への補助金交付申請が翌年3月になるなど、多くの時間を要したことが問題となっています。9月県議会一般質問ではこうした地元農家の声を取り上げ、一刻も早い県の対応を要望。県も被災農家経営の早期再開を図るため、ハウス等の復旧支援にスピード感をもって対応するとしました。

 

ところで、今回の台風被害による大規模停電は被災県民の心身に大きな疲弊をもたらしたことはもちろん、公共交通機関、医療・介護施設、営農者など多方面に大きな影響を与えました。

 

停電被害が深刻化した理由は複数挙げられるところですが、電力会社による倒木予防作業が十分でなかったこともその一つです。本来は、倒れてしまった場合に架線に影響を与えそうな樹木を確認した場合、予防的な伐採が行われるべきところ、近年は電力会社による対応が遅れ気味。ある自治体関係者は、電力会社に対し定期的な倒木予防作業をともに行いたい旨の申し出を行ってきたものの返答はなく、結果このような事態となったことに怒りを覚えると口にします。

 

9月県議会ではこの問題についても取り上げ、県内各市町村と電力会社が共同で行う倒木予防作業の推進を要望。県も「予防伐採を行うことは、停電被害の回避、減災が期待される」として、電力会社等に対応を強く求めていくとしています。

 

電力会社、市町村が危機感を強めているこの時期にこそ再発防止策を講じるべきであり、県の対応についても引き続き注視してまいります。