こんにちは、千葉県議会議員の岩井やすのりです!今日は、京成押上駅と泉岳寺駅を地下で結びという、都心直結線構想についての最新レポートです!

 

 

都心直結線が一躍脚光を浴びたのは、昨年4月のこと。首都圏の鉄道整備を議論する国交省の小委員会が、成田・羽田両空港へのアクセス向上を図る都心直結線を、「意義ある計画」として、具体化に向けた検討を求めたのです。

 

都心直結線とは、京成押上駅~泉岳寺駅間の11kmの新線とともに、JR東京駅西側200mに「新東京駅」を設置するという構想。同線が開通すれば、新東京駅から成田空港へ36分、羽田空港へは18分ほどで結ばれ、1000万人の空港利用者を含む、年間8000万人の利用者が見込まれます。

 

ところで、この都心直結線構想は羽田空港の国際化と無縁ではありません。「成田は国際線、羽田は国内線」という、いわゆる「内際分離」の原則が撤廃されたのは2010年のことですが、その実施にあたって千葉県側が求めていた条件が、①印旛日医大駅~成田空港駅を結ぶ成田スカイアクセス線、②都営浅草線の東京駅乗り入れ という2つの鉄道新線構想だったのです。

 

①のスカイアクセス線については、重点的な予算配分の下、異例とも言えるスピードで整備が行われ、羽田空港で国際線の就航が始まった直後の2010年に開業しています。

 

一方、②の都営浅草線・東京乗り入れについては、都や中央区が難色を示した上、そもそもカーブや停車駅が多いことから、同線での高速化は難しいとして、日の目を見ることはありませんでした。そこで有力視されるようになったのが、この都心直結線構想。民主党政権下で一時凍結されていた関連予算も、2013年以降復活しているのです。

 

都心直結線の開業時期について、一部で2023年頃と報じられていますが、ルートも時期も全くの白紙状態というのが実態です。

 

県は、「事業計画を精査した上で、事業性の見極めが行われることを期待」「関係地方公共団体・鉄道事業者等において、事業主体や事業スキーム等について、十分な検討を期待」等としていますが、要は4000億円もの費用捻出にあたり、東京都やJR東日本らと合意に至っていないということなのです。特に東京都は、同じ羽田空港のアクセス強化策として、休止中の貨物線を利用し、都心と羽田空港を結ぶ「羽田空港アクセス線」をより重視しており、事業化までの道のりはかなり険しいと言えます。

 

とはいえ、都心直結線構想は羽田国際化における大切な約束事であり、都も羽田国際化の恩恵を大きく受けていることに鑑みれば、この新線構想をうやむやにすることは許されません。都心直結線の事業化に向けた、県による国、東京都への強い働きかけが望まれます。