こんにちは、岩井やすのりです。今日の午前中は子どもが通う高校の体育祭がありまして、PTAのお仕事で写真を撮ってまいりました。とは言うものの、カメラ代わりのスマホの充電がなくなってしまい、お役に立てず。広報委員会のみなさま、すいませんでした(-_-;)

 

 

さて、今回のお話は、テレビの高画質競争についてです。昨日、あるネット上のニュースで、8Kテレビも4Kテレビもそれほど違いがなかったという記事に目が留まりました。

 

かつて最新だったフルハイビジョンテレビとは2Kテレビに相当し、4Kテレビの画素数はその4倍、8Kテレビはさらにその4倍あるとのこと。つまり最新の8Kテレビは、フルハイビジョンテレビの実に16倍高精細なんだそうです。

 

 

この8月にシャープから発売された液晶8Kテレビ・モニターは3300万画素もあり、70インチ型の想定小売価格は100万円前後。 「4Kの最初の投入価格が約80万円だったので、8Kの魅力を加味すれば、妥当な価格」と、同社幹部が説明したといいます。


しかし問題なのは、消費者がぱっと見て8Kテレビと4Kテレビの違いがわからないこと。「『細かい字を虫眼鏡で見てください』と言われて、近づいて虫眼鏡を当てて見たら、なるほど違う。遠目にはともにつぶれているように見えたローマ字が、8Kでは読めた。」という程度のものだというのです。

 

私の大学院時代の恩師である日本総合研究所の井熊均氏は、「性能限界」という自著の中で、視力、聴力、運動能力など、製品を使う人間の身体能力に限界があることから、製品の性能を上げることの意味がなくなってしまう「知覚限界」について指摘されていました。

 

当時はまだ、4Kテレビが市場に出始めたばかりのころ。これまでのテレビの何倍も緻密な画面で鮮明な映像が楽しめると、世間でもてはやされていた最中にあって、すでに相当に高画質になっている既存のテレビと比べて、画期的に異なる映像と思われるか疑問だというのです。そして、「そう言えばきれい」という程度の差しか出ない新型テレビに、何割もの高い価格をつけられるようには思えないと。

 

正直、わたくし自身を振り返っても、身の回りのもので特に欲しいという商品はありません。この前、テレビで取り上げられていたバルミューダとかっていう最新型のトースターが、何でも美味しくパンを焼き上げるのだとか。おお、これはすごいと一瞬欲しいなーと思いましたが、何としても買いたいというほどでもなく、実際に購入には至っていません。

 

高性能テレビも同様で、何としても買いたいという商品ではない。まして、見た目で大きな差が感じられなければ、8Kテレビより安い方の4Kテレビで十分でしょう。よっぽどの最新製品ファンでもなければ、「そのうち安くなるよ」ということになりますし、早晩、価格競争に陥るのが目に見えますよね。

 

 

「性能限界」という著書が世に出てからはや数年。テレビはもはや日用品に近く、性能の向上ではなく価格で勝負する時代であることは間違いありません

 

どの家庭にも家電製品が溢れ、そのたいていが消費者が満足できる高いレベルにある以上、これまでにない分野の新製品を世に送るしか道はないように思えます。

 

i phoneのように爆発的なヒット商品が、ソニー、パナソニック、シャープといった日本メーカーから生まれることを心から期待いたします!