平成29年5月~6月に成田土木事務所が発注した、4件の舗装道路修繕工事において、積算の誤りで予定価格が過大になっていたことが判明しました。このうち2件については、適正な積算により入札を実施した場合、J落札業者が別の業者となっていたものです。

 

今回問題となったのは、①山武郡芝山町での主要地方道成田松尾線(小池工区)の舗装修繕工事、予定価格約2億6千万円、②成田市猿山での国道356号(猿山工区)の舗装修繕工事、予定価格約2億4千万円、③成田市宝田での国道408号(宝田工区)の舗装修繕工事、予定価格約2億7千万円、④富里市七栄での県道八日市場佐倉線(七栄工区)の舗装修繕工事、予定価格約2億5千万円の計4件です。

 

県の発表によれば、路面切削機(29㌧)の運搬費を算出する際、基本運賃料金を12㌧までは19,510円、以上2㌧を増すごとに2,000円計上すべきところを、1㌧ごとに2,000円を計上。結果として、運搬費が54,000円の過大となり、現場管理費等の経費を含めた予定価格は、4工事とも86,400円の過大となってしまったとのことです。

 

これらは、県情報公開条例に基づき、小池工区と宝田工区の設計書の写しを受けた方、つまりは工事関係者からの指摘により誤りが発覚したもの。さらに、成田土木事務所で現在契約中、発注手続き中の舗装修繕工事についても調査したところ、2件の工事(猿山工区、七栄工区)についても誤りが判明したものであり、積算業務やそれを審査する職員のチェック体制の問題が指摘されるところです。

 

③の宝田工区は、落札者の決定に影響がなかったため、入札関係者に事情説明を行ったものの工事は継続。落札者に対しては、強制力はないものの、減額変更の申し入れを行うとのことです。④の七栄工区は、そもそも入札前の工事であったため、7/10に予定されていた入札が取り止めとなっています。

 

問題は、落札者の決定に誤りが生じた①の小池工区、②の猿山工区です。最低制限価格に誤りがあったため、真正な範囲内で入札したものを失格とし、それを上回るものを落札者として契約を締結してしまっており、契約した相手方に謝罪と事情の説明を行い、7/13に契約を解除しています。今後、設計内容を見直して改めて入札を行う予定とのことです。

 

この手の道路修繕工事を請け負うのは、地元の中小事業者であるのが一般的です。人手が不足し、関係企業の協力を仰ぎつつやり繰りしている中で、「発注手続きで間違えました、ごめんなさい。」で済まないことは間違いありません。県の担当職員も人間である以上、ミスが発生することは致し方ないことですが、今後、同様の誤りを発生させないためのチェック体制の向上と、関係業者への誠意ある対応が望まれるところです。