購入者名義で開発許可申請をさせる擬装的手法

印西牧の原駅から程近い印西市草深の市街化調整区域で、違法な開発行為が横行し、住環境の悪化が懸念されています。今回は違法開発の実態についての緊急報告です。

 

印西市草深地区は、最寄駅から徒歩圏内と好立地である一方、畑が広がるなどののどかな風景が残る魅力あふれる地域の一つです。現地は市街化調整区域であるため、生活インフラとしての上・下水道や都市ガスについては、行政の整備計画対象外となっており、井戸や浄化槽等を自己責任で設置しなければならないこととなっています。

 

さて、こういった市街化調整区域で宅地造成を行う場合、本来は分譲業者が開発対象となる全体の土地について、予め業者名義で開発許可を受けなければなりません。しかし、個々の宅地について購入者名義を開発許可を申請させるなどして、あたかも正当な形で開発許可を取得しているかのように見せかけ、実は、本来受けるべき一団の土地についての開発許可を受けていないという、擬装的手法での開発を行う業者が後を絶たないのです。

 

開発許可の実情に詳しい県職員は、具体的案件についての言及は避けるものの、一般論として、事業者によるゴミ置場や通常にない程に長い隣地境界用ブロック塀、分譲用立看板などの設置は、戸建て住宅建築を前提とした宅地造成、すなわち開発行為とみなされるとし、許可なく着工する違法開発行為が見逃される印西市の現状に首をかしげているのです。

 

開発許可なく宅地販売広告 当局といたちごっこ

さらに、これら違法業者は、現地立看板やネット媒体を使い集客を募っていますが、開発許可を得ないまま宅地売買に関する広告を行うこと自体、宅建業法違反であることに加え、広告内容も景品表示法違反に該当する可能性が大きいところです。ある分譲業者は県からの指導を受け、自社HPからの物件削除や現地看板の撤去を行ったものの、今度は、ネット上の不動産広告サイトを使った広告を始める等、当局とのいたちごっこが続いています。

 

次回、いわちゃんポスト96号では、草深地区の市街化調整区域で懸念される住環境への影響に迫ります。