県道189号千葉NT北環状線は、国道

464号との交点となる印西市草深と白

井市根を結ぶ一般県道です。国道

464号のう回路になるとともに、NT地区

住民の生活道路として期待されますが、

県の用地取得から45年以上経った今

も、全線開通のめどは立っていません。

 

問題となっているのは、白井市清戸付

近の約450㍍の未着工区間。そもそも

は平成3年に死去した元地主が、県

企業庁に道路用地として土地を売却

しながら、昭和50年代に同地に産業

廃棄物を不法投棄したことに遡ります。

 

平成3年12月に、6万坪もの産廃物の

上に事務所兼資材置き場が設置された

ため、道路事業を進めようにも、「産廃

物を撤去しなければならない」、「現地

主は投棄に無関係」、「産廃物上に不法

占有者がいる」ということになり、問題が

複雑化したのです。

 

県は、取得した道路用地について、台

帳管理に加え定期的な現地巡視等を実

施。県道用地の不法占有を行っていた

事業者に対しては、再三にわたり不法

占有物件の撤去を求め、一部コンテナ

等については事業者により撤去が行わ

れたといいます。

 

平成24年5月、千葉NT北環状線の工事

開始時においても資材等の残存物があ

ったことから、都市再生機構(UR)におい

て、2億2千万円の道路地および残地物件

移転補償を行いましたが、事はここで

終わりません。道路工事が始まれば騒音、

振動等が発生するとして、県はさらなる補

償が求められ、引き続きの交渉を余儀なく

されたのです。

 

冒頭に述べたように、千葉NT北環状線は

印西地区と白井地区を行き来する幹線

道路としてばかりでなく、地域住民の生活

道路としても大きな期待がよせられてきま

した。県の計画決定から50年以上が経過

しており、一刻も早い開通、供用開始が

求められるところですが、交渉を急げば、

さらに「コスト」が膨らむことは間違いあり

ません。

 

この12月議会でも千葉NT北環状線に関

する質問が上がりましたが、これまでの

経緯を振り返るならば、県(UR)にはむしろ

当分の開通はありえないくらいの気構え

で、じっくり腰を据えて交渉にあたっても

らいたいと考えます。