東京都知事選候補者特集の最後は、自民・公明推薦の

元総務大臣・増田寛也氏です。


桜井氏は「器ではない」と固辞

与党自民党の候補者選びも、野党同様に決して順調で

あったわけではありません。


まず名前が挙がったのが、前総務事務次官の桜井俊氏。

官僚出身という実務能力の高さ、政治とカネの問題に無縁

であること、そして、人気アイドルの櫻井翔さんを息子に持

つことによる知名度の高さから、最有力候補と目されたもの

の、「自分は都知事の器ではない」と本人に固辞され、自民

党サイドも諦めざるをえませんでした。


そこで、次に挙がったのが増田寛也氏。3期12年務めた岩手

県知事や総務大臣での手腕が買われてのことでした。


求められるのは知名度ではなく、クリーンさ・実務能力

ところで、これまでの東京都知事選挙を振り返ると、いささか、

人気先行型の有名人、著名人の進出が目立ちました。


俳優をはじめマルチタレントとして活躍した青島幸男氏、

芥川賞作家の石原慎太郎氏といった歴代都知事はもちろん、

落選した候補者でも、元NHKアナウンサーの磯村尚徳氏や、

芸人だった東国原英夫(そのまんま東)氏等もその部類と言

えます。


言い方は厳しくなるかもしれませんが、東京は財源がすこぶる

豊富であるため、要は「あり余るお金の使い方を決める」という

のが都知事のお仕事。政治や行政について、長年経験を積んで

きたというような方でも、とりあえずは仕事ができてしまってきた。


しかし、その結果が、3代続けての任期途中での降板劇であり、

いずれも、「政治とカネ」の問題により、議会から引きずり降ろされ

てのものでした。


このような背景から、都民が都政に向ける目は以前にも増して

厳しいものであり、続いてきた過ちを二度と繰り返すことは許され

ません。今、求められているのは、政治とカネの問題にクリーン

であり、都政を担うにふさわしい知識と経験を備えた都知事であ

ることは論を待たないところではないでしょうか。


増田候補以外では都政の混迷必至

私には、増田候補が「混迷に終止符!」と言葉に力をこめる

その意味と気持ちが痛いほどわかります。主要候補として

名前の挙がった他の候補は、都議会との対立をことさらに

演出したり、国政における分裂を都政に持ち込んだりで、

都政が前に進むどころか、一層の混迷することが目に見えて

いるからです。


私自身は、どの政党にも所属しない無所属県議の立場では

ありますが、わずかばかりの政治経験を根拠に、増田寛也候補

が最も都知事にふさわしいのではないかと考えます。