前舛添東京都知事の辞職に伴う、都知事選挙が告示日を

迎えます。今日からは、東京都政への直接的な関係がない

ゆえの、忌憚ない各候補の印象と評価を申し上げます。


まずは、元防衛大臣であり現職の衆議院議員であった、

小池百合子候補。知っての通り、自民党の党籍を持つ身

でありながら、自公の推薦を得ず(得られず)、無所属の立場

で立候補しました。


所属政党を裏切るやり方に関係者は怒り

政治関係者、いや、政治の世界を少しでも知っている方

からの評価はすこぶる悪い。それもそのはずで、自民党

サイドが、桜井俊前総務事務次官の擁立に向け、説得を

続ける最中に、自民党東京都連、自民党都議団への何の

相談もないままに出馬表明したのですから。


政治の世界は良くも悪くも「ムラ社会」的なところがあって、

物事の決定に際して、根回しや事前の挨拶は不可欠。

地方議員の選挙においてだって、力を借りたいと思う人に

は真っ先に挨拶や相談に行くものであり、当選報告等の

重要な連絡をする際にも、その順番に細心の注意を払う

ほどなのです。


逆に言えば、都連や都議団に相談なく出馬表明したのだ

から、われわれ(都連、都議団)の協力はいらないんですね?

と言われても仕方がない話。大臣まで務めた小池候補が、

これらの常識を知らなかったはずもなく、全て意図的、作為的

であったと見られています。


では、なぜ、敢えて所属する自民党を敵に回すようなやり方を

したのか?


それは意外と簡単な話で、

①桜井氏が出馬しないよう、比較的早く立候補表明したかった

②自民党推薦が得られれば最善だが、そうでない場合でも

自民党批判することで無党派層からの得票を期待した


の大きく2つであったものと考えられます。


記者会見にて、都議会の冒頭解散を表明していましたが、

これは②の延長で、自民党ばかりか全都議会議員までも

敵に回し、自らが改革勢力であるかのような印象付けを図った

ことは間違いありません。


ある情報TV番組の中で、「夜回り先生」として知られる水谷修氏

をして、「姑息なやり方」と言わせしめたのも、以上のような状況

を指してのものだと思われます。


小池氏当選なら都政の混迷は必至

そして、万が一、小池氏が都知事に当選したとしたら…。

私は、都政が前に進むどころか、より一層の混迷に陥る

のではないかと、大きく懸念します。


近年は政治への関心が薄れ、各級選挙が人気投票の体を

なすことがしばしばです。首長(知事、市町村長)選挙でも若くて

見栄えのする新人候補が当選することがありますが、議会との

調整がままならず、議会運営に立ち往生するなんてことはよく

聞かれます。


まして、冒頭の都議会解散を訴え、都議会との対立を明言する

小池氏では、都政がこれまで以上に停滞することが目に見える

わけで、2020東京オリンピック・パラリンピックを控え、難題が

山積する東京都政を任せるには、大きな疑問符がつくところです。