議員定数や選挙区割りを見直す千葉県議会・議員

定数等検討委員会が開かれ、平成27年国勢調査の

結果、一票の格差が最大で288倍まで拡大したこと

が明らかになりました。



銚子市人口6千人減 / 逆転区は8通りに

昨年4月の千葉県議会議員選挙は、5年前に実施さ

れた前回の国勢調査結果に基づくものです。人口7

210人、議員定数2の銚子市選挙区の県議1人あ

たり人口が35105人であった一方、人口88176

人の印西市選挙区の議員定数は1であり、いわゆる

1票の格差」は2.51倍となっていました。


しかし、昨年実施された国勢調査速報値によれば、

銚子市の人口はさらに64431人へと約6千人減少。

他方、印西市人口は92684人へと増加したため、

両選挙区の一票の格差は2.88倍に拡大しています。



また、人口の多い選挙区の定数が人口の少ない選

挙区の定数より少ない逆転区(逆転現象)は、銚子

市(定数2)と印西市(定数1)、銚子市(同2)と八街市

(同1)等の他、佐倉市(同3)と流山市(同2)、銚子市

と旭市(同1)、君津市(同2)と印西市(同1)など新た

4通り増え、計8通りへと拡大しました。



前回県議選251倍は合憲~東京高裁


昨年の千葉県議選をめぐっては、2倍以上の「一票の

格差」が生じたのは違憲であるとして、選挙無効を求

め提訴されていましたが、昨年12月、東京高裁は、

最大251倍の一票の格差も合憲であるとし、原告の

請求は棄却されています。


地方議会が定める定数配分は、国政選挙よりも一定

程度広い格差の幅や裁量が認められ、今回の県議

選もその範囲内にあると判示。また、印西市選挙区

(定数1)等より人口が少ないのに定数が2ある



銚子市選挙区については、国や県の機関が多く「行

政需要が高い」として、人口比例が原則の公選法の

例外として許容される「特殊な事情」にあたるとしたも

のです。



「地方切り捨て」とならない議論を

ところで、千葉市などの政令指定都市では、児童相談

所の設置、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の発

行、都市計画の決定といった通常は県が行うべき行政

を、市が行うこととなっています。すなわち、政令指定

都市においては、県議としての行政課題は格段と少な

くなるのです。他方、人口減少と財政力の低下が懸念

される銚子・東総地区や南房総地区、印旛郡など町村

部は、県や国と一体となった政策推進が必要であり、

間違いなく行政需要が高い地域。自治体や地元住民

との対話を行いつつ、県との交渉にあたる県議の役割

はより大きなものとなります。


県議会における、選挙区割り変更等の議論は今まさに

本格化しつつあります。2.88倍へと拡大した一票の格差

是正に取り組むことはもちろんですが、行政需要のより

大きい地方や町村部が切り捨てられるようなことのない

決定が必要です。