印旛沼流域では、台風等による浸水被害が度々発生。
関連河川である長門川の整備は喫緊の課題です。

一昨年10月、台風26号の影響により印旛沼周辺河川が
増水し、家屋や道路、農地などに浸水被害が多発した
ことは記憶に新しいところです。佐倉市では市内を流
れる高崎川が氾濫し、川と堤防の境界がわからなくな
るほど川の水位が上昇。酒々井町でも河川流域の田ん
ぼが広く冠水したほか、市街地にも水があふれる事態
となりました。 

この台風26号の被害を受け、佐倉市と酒々井町は、
印旛沼の水を管理する独立行政法人・水資源機構に対
し、台風接近前に沼の水位を下げるなどの事前対策を
とるよう要請。直後の台風27号の接近前には、印旛沼
の水位が平常水位より0.3㍍引き下げられることとなり
ました。

実は、印旛沼と長門川は治水面で大きな役割を担って
います。増水時には印旛水門を閉鎖して利根川からの
流入を防ぐとともに、印旛沼の水を、長門川を通じて
利根川に放水することとなっており、関係者も
「(治水対策には)印旛沼の水位調整が極めて効果的」
と口を揃えるところです。

しかし、長門川河岸は、コンクリート護岸整備はおろか
木柵による補強もほとんど行われておらず、栄町和田や
同安食地区において、流水による浸食、洗掘被害が相次
ぐ等、大きな問題となっています。

そして、さらに深刻なのは印旛沼の水量調節が困難に
なっていることです。繰り返しになりますが、長門川河
岸はほとんど整備されておらず土がむきだしの状態。
印旛沼増水時であっても、護岸の土がひっぱられて崩壊
する懸念があり、先述の長門川を経由した利根川への放
水も容易にできないのです。

栄町、酒々井町を含む関係市町は県に対し、長門川の
早急な整備を要望してきました。しかし、国策定の利根
川水系河川整備基本方針に、印旛沼に利根川の洪水抑制
調整池としての機能を持たせることが記されているもの
の、長門川についての位置付けはなく、同河川の護岸整
備は一向に進みません。

長門川周辺はもとより、酒々井町を含む印旛沼周辺の
洪水対策のためにも、国の河川整備計画に位置付けし、
国・県による長門川の護岸整備が望まれるところ。引き
続き県議会において訴えてまいります。