「県公用車ガソリン契約について調べてほしい。」

官庁に公用車用ガソリンを納める、ある業界関係者
から声が寄せられたのは昨年11月のことです。落札
価格が一般小売価格よりはるかに高いこと、業者が
低価格で落札しておきながら後に値上げを繰り返す
こと等を指摘するものでした。早速、県がガソリン
購入契約を結ぶ出先機関の中でも、購入量が特に多
い土木事務所について調査を開始しました。
 
調査依頼から1か月ほど後、県からの回答書を見て
まず驚いたのは、予定価格の算定方法のあいまいさ。
「周辺近隣の実勢価格」や「公的機関の発表する価
格」を「参考に算定した」と言われても、どのよう
に参考にして、どう反映されたのかが明らかではあ
りません。また、参考にしたという地域の実勢価格
は、どの事務所にもその記録が残っておらず、検証
すらできない状況にあります。

そして問題なのが、入札時予定価格や落札価格の
高さです。例えば、平成25年4月の相場の目安とな
る石油情報センター(千葉県)価格が151.5円/ℓで
あったのに対し、全土木事務所の予定価格がそれを
上回り、中には10円から15円以上も上回るケースも
見られます。参考までに、昨年12月22日の同石油情
報センター価格が144.6円/ℓであったのに対し、同
時期に132円/ℓで販売するガソリンスタンドもある
(郡内)等、そもそも情報センター価格は、一般消
費者にとって10円程度は高く感じられるもの。した
がって、土木事務所の設定した公用車ガソリンの予
定価格は市場値と比べ相当割高となっており、落札
価格も1ℓあたり10~15円は高いと言えるのです。
大口の年間契約であるのに、一般小売価格よりここ
まで割高なのは解せる話ではありません。

県内公用車ガソリン総使用量は、500万ℓ/年は下ら
ないところ。仮に1ℓあたり10円下げることができる
とすれば、年間5千万円ものコストカットができるの
です。そのためには、出先機関ごとに行われている
公用車ガソリンの契約方法を見直し、契約方針を一
律化することが必要です。地域の商習慣にとらわれる
ことなく、もちろん談合に巻き込まれることなく、市
場値に見合った適正な価格で購入できるよう調達方針
の一律化が求められます。