皆さま、こんばんは。
正月明けの出来事です。
パパさんが、
「ダニに咬まれて痒いし、ステロイドの塗るやつちょうだい。」
と言うてきました。
ダニ?!(確かに家は綺麗とは言えんけどやな。。。)
見てみると、お腹のあたりに虫刺されのようなポチポチが二つ。
・・・しかし、20年以上、ほぼ毎日帯状疱疹の患者様を診ていると、「ピン」と来ます。
「・・・これ痛くない?」
「痛くない。痒いだけ。」
ちょっと背中見せてと見てみると、背中にもうっすら赤い発赤が一つ。
全部の発疹を線で繋ぐと、神経の走行に沿って出ています。
「ほんまに痛くない?」
「痛くない。」
こういう時は少し聞き方を変えてみます。
「筋肉痛なかった?」
「ある。でも、これの前からやし関係ないんちゃう。」
はい、帯状疱疹確定~
発疹の出現より前に先行して、ピリピリする、筋肉痛みたいな痛みが出ることが多いです。
すぐに、抗ウイルス薬を処方して飲んでもらいました。
発症から1週間後。典型的な帯状疱疹の皮疹です。ここまでくると診断に迷う皮膚科医はいないですが、皮疹の出始めは、虫刺されのように見えることも多いです。すぐに、抗ウイルス薬を飲ませたので、皮疹もほとんど増えず、非常に軽く済みました。
ただ、このような初期の段階で受診される方が少なく、もっと皮疹が増えて、痛みが酷くなってから来られるケースが多いのです。
帯状疱疹で問題なのは、早く治療を開始しないと、皮膚の症状が治った後も痛みが3ヶ月以上続く帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)になってしまうリスクがあるということです(50歳以上だと約2割)。
また、頭部や顔面に帯状疱疹が出で、目や耳の神経が障害されるとめまいや耳鳴りといった症状が出たり、重症化すると視力低下や失明、顔面神経麻痺などの重い後遺症が残るリスクも。
日本人の場合、80歳までにおよそ3人に1人が帯状疱疹になるという統計があります。
で、今日の本題ですが、
1年前に発売になっていたのに、品薄で入荷できなかった帯状疱疹の不活化ワクチン『シングリックス』が入荷できるようになりました
生ワクチンとの違いは、有効率です。
『シングリックス』の帯状疱疹に対する予防効果は、50歳以上の方で約97%、70歳以上の方でも約90%
万が一発症してしまっても、帯状疱疹後神経痛の発生率も低くなります。
50歳を過ぎたらぜひ接種しておきたいワクチンですが、『シングリックス』は、有効率が高い分、価格も高いです。
1回の接種料が 21,000円(税別)
これを、2か月間隔で2回接種しなくてはならないので、42,000円(税別)掛かります。
保険は効きません。(現在のところ、日本では名古屋市に住民票がある50歳以上の方のみ自治体の補助が出ます。補助が出て10800円/回)
めちゃ高いやんと思いますが、1回接種すると、現在のところは約10年、予防効果が持続出来ているというデーターがあります。
(経過を追えているのが最長9年ということですが、ここから急に効果が無くなるということは考えにくいので、断言は出来ませんが、もっと長く・・・20年ぐらいはイケるんちゃうんかなと思います。あくまでも予測。)
帯状疱疹・・・・
なったことがない人はいまいちピンとこないと思いますが、一度罹患して神経痛に苦しんだ方は、帯状疱疹にとんでもない恐怖心を持たれています。
最近はコロナストレスで、子供さんの発症も多いのですが、『シングリックス』は50歳以上が対象となります。(50歳以下でも打つことは可能ですが、何かあったときに、国の救済制度の対象外となります。)
これまでに水痘生ワクチンを接種されている方、帯状疱疹に掛かったことのある方も接種可能です。
シングリックスワクチンは、ご予約を頂いてから取り寄せになりますので、接種希望の1週間前にご予約をお願いいたします
(ご予約後のキャンセルは出来ませんのでご了承くださいませ。)
・・・それにしても、パパさんはなぜに正月休みに帯状疱疹を発症したのか・・・・。なんか感じ悪いっすね(笑)。
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