支援報告 「キャッシュ・フォー・ワーク」について | IVY 震災支援ブログ

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国際協力NGO IVYの震災支援活動についてお知らせしています。

東北広域震災NGOセンターです。
雇用創出プロジェクト「キャッシュ・フォー・ワーク」についてお知らせいたします。

$国際ボランティアセンター山形(IVY) スタッフ便り


【東北大震災・被災者雇用創出企画】
「キャッシュ・フォー・ワーク」プロジェクト


 
1.企画の背景

キャッシュ・フォー・ワーク(cash for work)は、
災害地等において被災者を復興事業に雇用して、賃金を支払うことで、
被災地の円滑な経済復興と、被災者の自立支援につなげる、国際協力の手法です。
2004年のインドネシアでのスマトラ島沖地震津波等でも実施され、
大災害における被災者支援と経済復興手法として多くの実績を上げたと言われています。

物資配布活動では、2日に1回の頻度で各避難所をたずね、
前回要望のあった物資を届けさせていただいていますが、
多くの被災者から聞こえてきたのが、「働きたい」「仕事がほしい」という声でした。

今回の大震災では、津波により特に漁業・水産関係者をはじめ
多くの方々が職場そのものを失っておられ、
働きたくても職場がない。将来の見通しが全く立たないという深刻な悩みを抱えておられます。

一方で、避難所には、津波被害による床下のヘドロ撤去を自力で行うことができず、
自宅に帰りたくても帰れない高齢者の方も多くおられます。

そこで、東北広域震災NGOセンターでは、外部のボランティアに頼るのではなく、
地域の中で「人とお金が地域で回る」ことが、
地域経済にとっても個々の自立にとっても最重要と考えました。


このプロジェクトでは、まず皆様から寄せられた基金(ファンド)を元手として、
被災者から働き手を募り、避難所におられる被災者の方々が一日も早くご自宅に帰れるよう、
床下クリーニング等を行い、働き手には作業時間に応じて
このファンドから賃金を払っていく仕組みを作りたいと考えております。
また、ファンドでは作業を行う上でのプロの方による指導や
車両、資機材、作業着等の支援も行っていきたいと考えております。


2.目的

(1)今回の震災で職を失っている方々の雇用を創出する(ささやかですが)
(2)避難所にいる方々で、自宅に帰りたいが、片づけの人手が足らず、
帰れないままになっている方の帰宅を支援する(ささやかですが)


3.実施期間・対象地

(1)実施期間:
第1フェーズ 2011年4月12日(火)~5月31日(火) 
   *第2フェーズ以降は5月下旬の評価を行った後に検討する。

(2)実施対象地:石巻市 


4.内容

【石巻市の場合】

(1)4月11日よりハローワークを通じて、求人を開始。
  *【応募の条件】
   ・石巻市在住
   ・今回の震災によって職・職場を失くし、仕事を求めておられる方
   ・床板はがしやヘドロの除去作業など、力仕事ができる方
   ・建設関係の経験者だとなお良い  

(2)並行して、「依頼主」の公募開始。
   *【応募の条件】
    ・原則、避難所にいる方で、自宅またはアパート等の借家があり、
     1日も早い帰宅を希望されている方
    ・家族全員が65歳以上の世帯
    ・65歳以下でも、一人暮らし、母子家庭等も可

(3)並行して、ファンド(ご寄付)の募集開始。

(4)センタースタッフが、応募者を随時面接。
    1週間の試用期間後、契約書締結。

(5)採用された方々を4人1組に編成し、撤去作業のオリエンテーリング。
   資機材、作業着等の貸し出し受付等を行う。

(6)センタースタッフが、「依頼主」先の確認、
   作業前の写真による記録取り、打合せを行う。

(7)4月12日より作業開始。依頼主である家主さん立ち会いの下、
   1日4時間程度の作業を行っていただく。

(8)毎日、作業終了時に時間給750円×時間数をセンターのファンドより
   現金で支給。ただし所得税を差し引く。(手取り額2700円)

(9)開始当初1週間は、1日1~2組の派遣。
   2週目で3組、3週目で5組というように徐々に増やしていく。

*家屋の床下のヘドロ撤去については、4月5日に石巻市役所に申し入れと確認済
みです。



5.予算

【石巻市】
1)日当 3,000,000円 @3,000×延べ1,000人
2)資機材、車両借り上げ 600,000円
3)コーディネーター人件費  300,000円 @6,000×50日
4)事務機器、文具、その他 100,000円


6.今日までの活動状況

・コーディネーターとしてHさん(石巻市在住)を雇用しました。
・4月8日にハローワーク山形に求人票を申請しました。
・4月11日に7名の方から問合せいただき、
石巻市在住の5名の方の雇用を決めさせていただきました。
4月15日現在、12名の方を雇用中です。
・石巻市内の7軒のお宅の床板をはがし、ヘドロのかき出し、洗い流し、
石灰による消毒、床板の打ちつけ、清掃等をさせていただきました。
・向井建設株式会社仙台支店のSさんはじめ、4名の社員の方々に
12日・13日の丸二日間、作業や安全管理について指導いただきました。
本当にありがとうございました。

*なお、向井建設さんにはボランティアでご協力いただいたにも関わらず、
12日に現場を取材した某テレビ局が、取材した映像に
「安い労働力として建設会社が失業者を利用している」旨のコメントを
かぶせて報道していたとの連絡があり、現在事実確認中です。

プロジェクト担当:認定NPO法人国際ボランティアセンター山形(IVY)
協力:宮城県地球温暖化防止活動推進ネットワーク(NetPagw)
ファンドレイジング西日本担当:公益社団法人セカンドハンド
作業指導:向井建設株式会社東北支店

「キャッシュ・フォー・ワーク」の詳しい資料は、
以下のサイトからダウンロードしていただけます。写真もご覧いただけます。
http://www.ivyivy.org/news/post-65.html



物資・車両の提供について

土嚢袋、消石灰
ケルヒャー社製高水圧洗浄機
軽トラック、ワゴン車 



義援金の募集

寄附金は税金の寄附金控除の対象となります。
本日までの義援金合計 16,053,564円


*石巻市の市町村からもハローワークを通じて「働きたい」との希望が寄せられていますが、
現在はセンターの資金の都合で石巻市在住の方に限定させていただいています。
1市町村につき約400万円の資金と、この仕組みを回して下さるスタッフ(コーディネーター)
が見つかれば、他の始められるのではないかと考えております。

*募金の使途について

・キャッシュ・フォー・プロジェクトで雇用された方々への給料、
車両借上げ代、燃料代、工具・資材購入費等
・リクエストのあった支援物資の調達費、炊き出しの食材費、調理環境整備費、
燃料費、道具のレンタル代、車の燃料代等
・その他2割を上限として、電話代、印刷費、人件費、
ボランティア保険にも使用させてください。


1)郵便振替 

加入者名:IVY  郵便振替:02290-2-85967
*「地震」 と必ず書いてください。


2)銀行振込 

山形銀行 寿町支店 普通預金 366153  
特定非営利 活動法人 国際ボランティアセンター山形 代表理事 枝松直樹
*銀行振込 の場合はメールか電話で事務局まで必ずご一報ください。



東北広域震災NGOセンターは、以下の団体・グループのネットワークで
人・情報・物資・資金を共有して活動しています。(50音順)


【事務局団体】
・認定NPO法人 国際ボランティアセンター山形(IVY)

【連携・協力団体・企業】 *4月18日現在(順不同)
・(特活)WE21ジャパン
・(特活)えひめグローバルネットワーク
・小国ガスエネルギー(株)
・小国フォルケフォイスコーレ
・(株)カタログハウス
・(特活)開発教育協会
・(特活)国際協力NGOセンター
・(特活)コペルニク
・(株)佐藤松兵衛商店(乃し梅本舗 佐藤屋)
・(株)蔵王ミート
・蔵王温泉観光協会青年部
・(特活)シェア=国際保健協力市民の会
・(株)ジョイン
・しらたかノラの会
・公益社団法人 セカンドハンド
・仙台市
・仙南中央病院(医療法人財団本多友愛会)
・(特活)地球市民の会
・(特活)地球の木
・東北国際協力ネットワーク
・東日運送(株)
・東部開発(有)
・(財)とよなか国際交流協会
・名取市
・日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
・(特活)日本国際ボランティアセンター
・(特活)パルシック
・(株)パレス平安
・東日本大震災市民支援ネットワーク・札幌「むすびば」
・BeUp ビィアップ
・フォーラム
・(株)平安典礼
・(特活)ホープ・インターナショナル開発機構
・松田建設(株)
・マツダレンタカー山形店
・宮城県地球温暖化防止活動推進ネットワーク(NetPagw)
・(財)民際センター
・向井建設(株)東北支店
・(株)ムサシ
・モンテディオ山形サポーター有志
・(株)モンベル(アウトドア義援隊)
・山形県小国町グループ
・山形県上山市役所
・山形県山辺町グループ
・(株)ユニクロ
・LOVE FOR NIPPON
・ルーテル協会

*万が一、ご協力いただきました団体様、企業様で、
 掲載漏れ、表記ミス等ございましたら、至急事務局までお知らせください。

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向井建設さんによる説明会

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床板をはがしているところ

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床下の泥かき

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床板を戻しているところ