街はーいーまー♪眠りのーなかー🎵

あのゴリをー♪鳴らすのはあなーたー🎵

 

 

 

ここ数日で筆者が観察した、

ゴリ先生の生態を述べます。

 

 

 

①のんきか

前回のブログで筆者は、

ゴリ先生との外出時の道について、

ミスったことを内緒にしていたことを述べました。

 

先日筆者はゴリ先生とランチをする機会があり、

「実はあのとき道を間違ってたんだけどね、

複雑に曲がったり話題をそらせたりして煙に巻いたのよ。」

と告白しました。

 

 

ゴリ先生は、

「確かに帰り道は早いなと思ったけど、

全然きにしてなかった。

落ち着いたいい街だなーって思って歩いてた。」

と述べました。

 

 

のんきか!

 

たしかに落ち着いたいい街だったけど!

 

 

 

②時空をゆがめるゴリ先生(前編)

1 前日のできごと

おもえば前の日からおかしかったんですよ。

 

筆者は前の日に、昼間美容院で髪を切ってきたのです。

散髪した後は時間があったので事務所に戻って仕事をしました。

 

ゴリ先生と打合せすべきことがありましたので、

隣の席のゴリ先生と普通に打合せをしました。

 

ゴリ先生は筆者が髪を切ったことにはとくに言及せず、

淡々と仕事の打ち合わせをしました。

 

 

ところが翌日。

 

ゴリ先生は出勤してきて開口一番、

「あれっ髪切った?」

と筆者に言ってきました。

 

 

髪切ったの昨日の昼間!

あんたさんざん隣の席で新しい髪形見てる!

新しい髪形見ながら打合せしてる!

 

と突っ込もうと思ったのですが、

その時筆者は忙しかったので、

さらっと流して仕事に戻りました。

 

 

 

今思えばこのあたりから

ゴリ先生は時空をゆがめ初めていたのでしょう。

 

 

この日筆者はおそろしい目に遭うことになります。

おそろしい、本当におそろしい一日でした。

 

 

長くなりましたので続きはまた後日。。。

イッツ、ソーフライデーフライデーゴリラタウン🎵

ジャスミンにくちづけーをー♪


弊所の新メンバーであるゴリラ系弁護士。

今日も元気にゴリゴリしております。

 

最近のゴリラ先生のことを少し書いておきたいと思います。

 

 

 

①常連になっている

 

ゴリラ先生がわたしたちの事務所に来てからすぐのころ、

近所の洋食屋さんに一緒にランチしにいきました。

ゴリラ先生はこのお店をとても気に入ってくれました。

 

 

それからしばらく経ってまた同じ洋食屋さんにご一緒したところ、

ゴリラ先生は急に「僕はいつもので」と言い出しました。

 

するとどうでしょう。

ちゃんと「ステーキ×ハンバーグ定食でご飯抜きサラダ付き」

というけっこうマニアックなセットがきちんとでてきたのです。

 

 

いつの間に常連になったんだよ。。。

たしかにそんなオーダーするのは君くらいだろうけど。

 

どれだけ頻繁に、

「ステーキ×ハンバーグ定食でご飯抜きサラダ付き」食べてるんだよ。。。

 

 

 

②道には無頓着

 

ゴリラ先生と筆者で、

ちょっと遠いところに住んでいる

交渉相手を尋ねる機会がありました。

 

 

場所は最寄駅から10分くらいのところ。

筆者とゴリラ先生の生息地からはだいぶ離れた街です。

 

 

こんなときゴリラ先生は道を調べようとしないので、

筆者がスマホで地図を見ながら道案内をすることになります。

 

そしてこのとき、

筆者は完全に道を間違えました。

 

大雑把にわかりやすく申しますと、

駅から東にすすまなければいけないところを、

駅から南にすすんでしまったのです。

 

 

筆者は待ち合わせ場所に向かう途中でそれに気づき、

さりげなく東に折れ、

さらにさりげなく北に折れました。

 

要するに本来→ーーーー→こういうふうに向かえばよいところを、

↓     ↑こういうふうにコの字に歩くことになったのです。

|______|

完全に筆者のミスです。

 

 

筆者は道をミスったことをゴリラ先生に気づかれたくありません。

したがって、実際には細かく左に曲がったり右に曲がったりして、

ゴリラ先生の方向感覚を狂わせました。

 

また、

「ほら、あそこにおいしそうなお店があるね」

などと話しかけ、

方角を意識しないように仕向けました。

 

 

そうして何とか待ち合わせ場所にたどり着き、

お話し合いをして帰り道になりました。

 

帰り道で←ーーーー←と帰ってしまうと、

行きでミスったのがばれてしまいます。

 

 

そこで筆者は、

「行きはわかりやすい道を使ったから、

帰りは最短ルートで帰ってみよう」

と言い訳しつつ、

また細かく曲がったりして、

←/\/\←というようなルートで帰りました。

 

 

結局この日、

ゴリラ先生は筆者の道のミスには気づかなかったようです。

 

 

このようにゴリラ先生は道に無頓着です。

 

もしかしたら「あれ?行きはずいぶん遠回りだったな?」

くらいはうっすら感じていたかもしれません。

 

でも実際にどう思っていたかは誰にもわかりません。

筆者も敢えて訊こうとはしません。

 

 

 

③医大の購買が大好物

 

医療事件に強みを持つゴリラ先生。

外出の途中で医大を見ると、

ふらふらっと吸い込まれるように入っていきます。

我慢ができなくなるようです。

 

そして守衛さんに購買の場所を聞き、

スキップをせんばかりにウキウキしながら購買まで歩きます。

 

 

購買につくと医学書の棚がたくさんあります。

医学書に囲まれるとゴリラ先生は恍惚とした表情になります。

とろけそうな笑顔です。

 

そして本棚の間をうろうろと徘徊しながら、

欲しい医学書を探し回ります。

 

欲しい医学書を見つけると、

満面の笑みで筆者に報告してきます。

 

そしてレジの後ろに「ドイツ比較法」みたいな

法律書が並んでいるのを見つけると、

いたずらっ子の男の子のように嬉しそうに、

「ドイツ比較法だって!あんなとこにある!

だれが読むんだろうね!医学部で!ね!」

とキャッキャしてきます。

 

 

好きなものがあるってすばらしいよね!

 

 

 

④休息を取らない

 

ゴリラ先生は土日もだいたい仕事をしてます。

仕事をしすぎてこの前は首を痛めてました。

 

そんな彼はみんなから「休め」といわれています。

 

 

最近ゴリラ先生が筆者に、

「先生が休め休めってうるさいから

先週の日曜はゆっくり家で休みましたよ(ドヤッ)!」

ととっても自慢げに報告してきました。

 

 

しかし筆者も弁護士の端くれです。

簡単に相手の言い分を信用することはありません。

鋭く質問しました。

「お休みできてよかったね!

お休み中は何してたの?」

 

するとゴリラ先生は嬉しそうにいいました。

「一日中法律の本を読んでました♡」

 

 

筆者「お前それ休んでないだろ。」

ゴリ「たったしかに。。。」

筆者「休みっていうのはごろごろしたり、

キャンプとかゴルフとか趣味をしたりすることをいうんだよ」

ゴリ「俺結局仕事しちゃってたんだね。。。」

 

 

というわけでゴリラ先生は結局休息を取っていませんでした。

 

体壊すからさ。

もう少し休みを取る努力をしてくれ。。。

 

 

って書いてたらたまたまゴリラ先生が出勤してきました。

そして大声で嬉しそうにいいました。

「また新しくお医者さんとの勉強会に参加することになりました♡」

「結局昨日も24時くらいまで会合でしたよ♡」

 

医療事件扱う前にあんたの健康が非常に不安だよ。

ゴリラよ!

 

 

本日はこのへんで。

 

 

最近ハラスメント関係の本を新しく買って読んだり、

過去に読んだ本を再読したりしています。

 

主にはハラスメント研修を設計し、

顧問先様やその他企業さんにご提供するためです。

 

せっかくなので最近読んだハラスメント関係の本について、

個人的な感想を書いておきます。

 

 

あくまで個人的な感想であり、

筆者なりの論評であるので、

その点よろしく頼むぜ……。

 

 

 

①『パワハラのグレーゾーン 

裁判例・指針にみる境界事例』

山浦 美紀 著

 

 

3/10点。

 

 

指針や裁判例の引用が少ないのがしんどい。

 

限界事例を列挙して黒か白かを定めていく、

という体裁で作られている。

 

なので、

「このような判断があるから黒」

「指針ではこのように書かれているから白」

というように判断基準が示されないと、

実務家としては使いにくい。

 

 

 

②『パワハラ・セクハラ 

裁判所の判断がスグわかる本』

中野 公義 著

 

 

6/10点

 

 

ハラスメント関係の裁判例集として、

よくまとまっているという印象。

 

事例が類型ごとにまとめられているので、

体系的に全体像を概観できる。

 

補足説明もわかりやすく端的なので好き。

 

 

もう少し裁判例の紹介に分量を割いて、

巻末の資料は省略してもよくない?

 

 

 

③『人事・総務担当者のための

ハラスメント研修設計・実践ハンドブック』

加藤 貴之 著

 

 

8/10点。

 

 

研修の持ち方という技術論についての記載も良いが、

研修において伝えるべき

「内容」面の記載が特に充実した本。

 

様々な立場・様々なシチュエーションで、

ハラスメントが発生した場合の

「対応」について紹介されている。

 

「どう行動すればよいか?」

という観点の学びが大きい。

 

 

「判断力」と「対応力」を高める、

「4つの指針を把握する」など、

必要事項をシンプルに図式化して整理してくれるので、

非常にリーダブルで理解しやすい。

 

 

 

④『管理職なら時には部下を叱れ!

きびしい指導もパワハラとされない5つの極意』

加藤 勝雄 著

 

 

2/10点。

 

 

題名からすれば、

「パワハラにならない叱り方はどのようなものか」

「業務指導における叱ることの重要性」

といった事項に分量が割かれるべきであろう。

 

 

しかし本書では、

「5つの極意」が出てくるのは、

後半の3分の1くらい。

 

その内容も本書でなければ学べないものでなく、

類書でも書いてあるようなものという感想。

 

 

 

⑤『改定増補

パワハラセクハラマタハラ相談はこうして話を聴く

こじらせない!職場ハラスメントの対処法』

野原 蓉子 著

 

 

7/10点。

 

 

ハラスメントが発生してしまったケースにおける、

ヒアリング調査担当者のための技術論の本。

 

 

弁護士の専門領域でない、

カウンセリング的な視点からの技術論。

 

弁護士の著書は、

「法的な責任としてやるべきこと」

を中心に書かれていることが多い。

 

対して本書は、

「ヒアリング対象者の心を守るため」

という軸で書かれている。

そのため類書で見られない技術論が多数見いだせる。

 

 

穏便な紛争解決のためには、

本書で提案されるような技術論が有効だと思う。

信頼関係に基づいた長期的な契約関係という

雇用契約の特徴を前提に考えると、

本書で書かれる類の技術論も重要だと考える。

 

 

 

他にもハラスメント研修の本を2~3冊読んだんだけど、

現在手元に見当たりませんでした。

 

この他に「ハラスメント」と題名につかない、

労働法関係の本も読んでおります。

 

企業さんとの顧問契約においては、

ハラスメント対応など人事労務関係に強いのが筆者。

新メンバーの同僚弁護士はガバナンス関係に強いです。

なので2人で顧問になるとちょうどよいです。

 

 

そういえば本日は一日出張で事務所にいない同僚弁護士。

昨日の仕事中、「太陽に吠えろ!」のテーマのあの音楽を、

歌詞を「ペイペイペイ~♪」にして歌っておりました。

 

なんだよ「ペイペイペイ~♪」って……。

松田優作があの世で泣いてるよあんた……。

 

【本のデータと採点】

正式名称は、

『人事担当者のためのハラスメント防止研修ハンドブック

ハラスメント防止研修の準備実践研修後まで』です。

長いですね。

 

樋口ユミさんという人事系のコンサルの方のご著書。

 

個人的な点数は9/10点。

 

 

 

【人事労務の担当者に最適!】

基本的にはすごくよい本だと思います。

企業の人事部や総務部で人事労務に携わる方や、

経営者の方はぜひお読みいただくとよいかと思います。

 

 

 

前半でハラスメントの類型にざっと触れており、

ハラスメントとは何かをイメージしやすくなっています。

 

 

中盤でハラスメント研修の事前準備~事後フォローアップの提案があります。

この部分は筆者としても目からウロコでした。

 

 

たしかに事前アンケートを取らないと的外れな内容になりますよね。

 

具体的な研修内容によっては現にハラスメントを受けている人を、

苦しめる結果になってしまう可能性さえあります。

 

 

グループワークの持ち方や設問の立て方など、

実践的な技法についても具体的に言及されており、

たいへんありがたいです。

 

 

特に目を見張ったのは「自己振り返りシート」。

 

受講者に気づきを促し思考過程や行動を変容させるきっかけを作る。

ここまで「具体的に人を動かす」ことにこだわるのってすごい。

 

学者先生や弁護士は知識の提供に分量を割きすぎる傾向があると思います。

そういう傾向のある自分を反省しました。

 

人事コンサルとして現場で活躍され実感されたのが、

「変容のきっかけを与えなければ意味がない」

という思想なのでしょう。

 

一貫して「変容」を促す本書に、

筆者は本当に目を開かされました。

 

 

本当に効果のある研修をしなければならない。

そのような樋口先生の情熱が伝わってきます。

 

語り口は優しくて読みやすいのも本書の特徴ですが、

その実は情熱の炎によって鍛えられた剛直な刃のような方法論です。

 

 

 

【わがままもいわせて】

筆者から見て惜しい点もありますが、

それは筆者のわがままというものでしょう。

 

 

ハラスメントの類型の例が少ないので、

本書だけだと「相場観」を掴みづらい。

 

 

「ハラスメントハラスメント」など、

法が要求していない新しすぎる概念にまで言及され、

少々論旨が拡散しているきらいがある。

 

 

研修の持ち方の具体例がもっと欲しい。

 

 

そういうふうには思いました。

 

でもさらっと読み通せるこのボリュームにおさめるには、

やむを得ない取捨選択であることはあきらかです。

研修をセッティングする担当者向けにはこれで十分でしょう。

 

 

 

【もっと分厚い本を書いてほしい】

ですので著者の樋口先生におかれましては、

実際に研修を行う立場の専門家向けに、

350頁で3000円くらいの、

より詳しくボリュームのある本を書いていただきたいです。

 

 

おねがい!

書いてください!

絶対買いますから!

 

 

 

【最近思うこと】

慢性的に頭が痛いです。

そして慢性的にフルーツジュースが飲みたいです。

 

 

起業を志す若い皆さんに伝えたい。

 

AIとかブイチューバーとかもいいですけど。

 

仕事で疲れて頭が痛くてビタミンを欲している。

そんなおじさんが絶対に筆者の他にもいます。

 

 

ですからエキナカで。

1000円カットに似たビジネスモデルで。

 

 

ヘッドスパ15分+フルーツジュース1杯。

2980円で提供するお店を誰か作りませんか?

 

ヘッドスパだとおじさんにはなじみがないかもしれないので、

「あたまっサージ」みたいなネーミングがいいかもしれません。

 

 

と思ったら類似の店名が既に存在するようですので、

「頭痛取り+フレッシュジュース=『ずつフレ』」でどうでしょう。

 

『ずつフレ』はまだないみたいだぜ!

【いつものいいわけ】

なんでしたっけ小田和正の。

「あーのー日あーのときあーの場所ーで🎵」


思い出しました。

『ラブストーリーは突然に』でした。



そんなわたくし。

絶賛繁忙期でございます。


ブログ更新滞っております。



11月初旬くらいまでは忙しくなりそう。

商売繁盛ならばよいのですが、

貧乏暇なしに近いです。



目の前の仕事を片っ端から片付けるので手一杯。

なかなかマーケティングやマネジメント的な仕事まで手が回りません。




【新メンバー】

そういえば弊所。

新メンバーが加入しました。

筆者の同期の男性弁護士です。



見た目は肉体派の、

一言でいえばゴリラ。


実際は学級肌で、

常に分厚い専門書を手に持って歩く男。



いや比喩表現とかではないんですよ。


なぜか事務所に入ってくるとき、

だいたい手に分厚い専門書を持ってます。


バッグに入れて持ってるとかでなく手で持ってます。


「なんで生で持ってるの!?」

と同期の女性弁護士とランチしたとき突っ込まれてました。



もちろんバッグには他にも専門書が2〜3冊入ってます。

八千円とか一万円とかする、

鈍器みたいな専門書です。


なんなの?

気に入らない人がいたらそれで殴るの?

いつでも殴れるように手で持って歩いてるの?

複数人殴れるように数札持ってるの?


不思議な男です。



交渉ではゴリラだけにゴリゴリ攻めます。

見た目に反することなく元ラガーマンなので、

重爆タックルのように攻めます。



なぜか筆者に対するボディータッチが多いです。

事務所で筆者の後ろを通るとき、

頻繁に肩を優しくモミモミしてきます。


背中をサスっと撫でてくることもあります。

一緒に歩いているとよく手と手がぶつかります。


発車が仕事のことでイライラして、

「ちょっと殴らせてくれる?」というと、

真顔で「いいよ!」と肩を差し出してくれます。


お前、

俺のこと結構好きだな?

俺もだよ。。。



炭水化物抜きダイエット中の新メンバー。


ある日筆者がドーナツを買いに行くとき、

「買いに行くけど君はいらないよね?」

と念のため確認しました。


もちろん彼は、

「俺いらない!」といいました。


問題はその理由です。

「俺今日はもうドーナツ食べたから!」

というのです。


お前炭水化物抜きダイエット中じゃないんかい。

要らない理由「もう食べたから」はおかしいだろ。



よくスッと事務所からいなくなって、

しばらく戻ってこないことがあります。


そんなとき彼はどこでなにをしているのか。

それは誰も知りません。


生態に謎が多すぎるんだよなー。

司法修習(法曹になる前の1年間の研修)のときは、

家に帰ると一人で裸になってパラパラ踊ってるっていってたし。


冗談だと思うでしょ?

でもそういう冗談をいうタイプでもないんです。

ほんとに一人で裸でパラパラ踊ってたの?

みんなで追求しましたがはぐらかされた思い出です。



そんな新メンバーともども、

今後もよろしくお願いします。



『科学的根拠に基づく最高の勉強法』

ってすごいこと謳うなって思ったけど、

看板に偽りなしっていってよいかも。

読みやすいし10点満点中9点。

 

本日も重い記事が続いた後の読書記録シリーズということで。

特に司法試験など大量の暗記が必要となる勉強に向いた本です。

 

 

現在筆者に必要な勉強は暗記が必要な試験勉強でなく、

大量の文章を読んで全体像を掴んだりポイントを抑える勉強なので、

筆者にベストマッチというわけではなかったです。

 

その点でマイナス1ポイント。

 

でも内容は素晴らしい。

よいポイントを紹介してゆきます。

 

 

 

1従来の通説的な勉強法の否定から入る

繰り返し読む再読はそれだけでは有効でないとか、

ノートを作ることやアンダーラインを否定するなど。

 

従来の通説的な勉強法の否定が第1章にあることで、

常識を覆される爽快さが味わえます。

 

そして、

「これが否定されるなら次章ではどんな勉強法が紹介されるのか?」

という興味を引き付ける構成になっています。

 

また第1章で否定されるべき勉強法を列挙することで、

次章で紹介するよい勉強法との比較対象になっており、

よい勉強法の特徴が際立つ仕組みにもなっています。

 

 

著者、うまいね。。。という印象です。

 

 

 

2紹介されるよい勉強法が具体的

アクティブリコール(想起練習)は従来の勉強法との比較から語られ、

具体的にどのように実践すると効果が高いかも提案されます。

 

このように様々な角度から具体的な説明があるので、

自分に引き付けて具体的にどのような勉強をすればよいか、

というイメージがしやすいのです。

 

 

分散学習(学習のタイミングを分散させることで長期記憶に定着させる)は、

非常にわかりやすい概念なのでそこまでいろんな角度ではないですが、

きちんと具体例が示されておりそのとおりに実践できる内容となっています。

 

 

精緻的質問と自己説明(「なぜ」と問いかけながらインプット+自分で自分に説明する)

についてもさまざまな角度から光が当てられて具体像が鮮明になりますし、

 

インターリービング(似た分野をまぜこぜにして問題を解く)についても、

著者の医学の勉強に引き付けて具体例が挙げられており、

この方法が効果を発揮しやすい場合とそうでない場合についても明示されています。

 

 

このように筆者が様々な角度から勉強法を具体的に示すことに多くの文字を使っており、

読み手としては筆者のいう勉強法を非常に鮮明に把握できます

 

 

ここまで具体像を示そうとする本はなかなかないと思います。

筆者の「勉強法をわからせたい」という情熱がうかがい知れます。

 

 

 

3エビデンスが充実している

論文や実験結果を都度都度引用してくれているので、

安心して筆者の見解を信用することができます。

 

 

よくある本では筆者の主張に有利な論文だけを引用するのですが、

本書は筆者の提唱する勉強法が有効でない場合を示すデータも、

隠すことなく提示してくれます。

 

そのため、

本書の勉強法を使うべき場合とそうでない場合が判断でき、

「本書をうのみにした結果自分に合わない勉強法を実践するのに

時間を使ってしまった」ということがないよう配慮されています。

 

 

このような態度は非常に誠実であり、

本書全体の信頼性を高めています。

 

 

 

4司法試験に生かす視点

とこのように優れた本書ですが、

基本的に「暗記するために理解する」

という方向性の勉強法が紹介されています。

 

そしてこの方向性は筆者のような社会人より、

資格試験に挑む受験生に一層向いていると考えます。

 

 

不合格になる司法試験受験生が暗記の作業でやりがちなのが、

ひたすら基本書を読むとか趣旨規範本を暗記するといった、

第1章で紹介されているような従来の通説的な間違った勉強法です。

 

筆者も司法試験の3回目まではこのような勉強法をしていました。

4回目で勉強法をがらりと変えることで、

自然に第2章で紹介されているような正しい勉強法を取り入れ、

結果として合格できたという経験があります。

 

 

ですので本書は司法試験におけるインプット学習に役立つと、

筆者は経験からかなりの確信を持っていうことができます。

 

そして本書は司法試験と同様に大量の暗記が必要な資格試験についても、

同じように役立てることができるでしょう。

 

 

ただし司法試験の本質はアウトプットです。

本書で紹介されているアウトプットを生かした勉強法は、

あくまでインプットのためのアウトプットです。

 

司法試験におけるアウトプットの練習は、

本書で紹介されるような作業とは別に行う必要があります。

 

 

司法試験につき多くの人に共通する普遍的な

アウトプットの練習をなるべく端的に述べるのであれば、

 

①出題趣旨・採点実感・優秀答案・その他答案の徹底的な分析により

 どのような答案を作成するべきかを具体的に把握する作業。

②実際に答案を作成した後に答案作成の各工程を細分化し

 自分の苦手な工程を発見しその工程の練習を繰り替える作業。

③実際に答案を作成しつつ作成中の自分の具体的な動きを記録し

 答案作成中の自分の動きを矯正する作業。

この3点になるでしょう。

 

 

筆者は司法試験受験生と関わることがあると、

①②をよく教えています。

①②をよく理解してくれた受験生はだいたい合格してゆきます。

 

なかには前年度不合格だったにもかかわらず

①②を筆者が教えた以上に徹底して行った子がいて、

1桁台というすばらしい順位で合格してゆきました。

 

あっ自慢しちゃった。。。

失礼しました。。。

 

 

もう少しリラックスした記事や自分の考え方を言語化する記事を書いたら、

また面会交流や相続の話題に戻りたいと思いますし、

顧問先様向けの記事も書いてまいりたいと存じます

 

お付き合いくださいませー。

しばらく硬派な内容が続いたので、

久々に読書記録をば。

 

その割にはシリアスな本になってしまいましたが。。。

 

 

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10点満点中10点。

 

犯罪学の先生が、

「子どもが事件に巻き込まれないためにはどうしたらよいか」

という予防の観点で書かれた本書。

 

192頁と薄めで語り口も優しく読みやすかった。

 

 

犯罪機会論という立場から、

壁などの空間構成や立地などの場所的な観点から、

危ない場所を発見して警戒する、

危ない場所を作らない、

子供が犯罪に遭遇する機会を最小化する、

ということを一貫して述べられている。

 

「怪しい人」を子どもが判別するのは難しい。

「知らない人」の範囲も子どもにとってはあやふや。

「暗い道」だけで犯罪が行われてきたわけではない。

というように既存の防犯概念が実践的でないことを示しつつ、

 

「入りやすい場所」→犯罪者が侵入・逃走しやすいのでNG。

「見えづらい場所」→犯罪者が犯行現場に選びやすいのでNG。

という2つのポイントを解説してゆく。

 

 

後半では有名な「割れ窓理論」についても詳しく紹介され、

犯罪先進国で「犯罪機会論」が主要なアプローチになった経緯が述べられる。

 

 

著者が述べているような話は現代人には納得のできるものだと思う。

ビジネスであれば「人的要素に頼らず仕組化で解決しよう」ということに近い。

政治であれば「独裁者の人格に依存せず民主制というシステムでモアベターを目指す」

という考え方と似ていると思う。

 

もちろん犯罪の動機や遺伝的な原因を解明することも大切と思うけど。

コストや時間をかけずに解決できるところから解決するべき、

という著者の主張には共感する。

 

 

非常に勉強になる内容でした。

 

家庭の法と裁判。

たぶん法曹か法学者かその関係者しか読まない。

その中でも家事事件を主に扱う一部の人しか読まない。

そんなマニアックな雑誌です。

『月間住職』とどっちが売れてるんでしょうか。

 

マニアック雑誌なのに一部界隈で爆売れとのうわさ。

今後の法改正をわかりやすく紹介する論考が載っているためです。

 

 

今回は法改正による面会交流制度の変化について、

池田清貴先生の論考『親子交流に関する新しい制度』

を読みながら重要ポイントを解説します。

 

 

 

①面会交流の試行的実施

面会交流という呼び方は不適切だから子との交流と呼ぶ、

みたいな正直どうでもいい話もありますが置いといて。

 

 

「家庭裁判所は…相当でないと認められる事情がなく、

…事実の調査のため必要がある…ときは、当事者に対し、

子との交流の試行的実施を促すことができる」(28頁)

 

「交流の方法、…日時及び場所並びに家庭裁判所調査官

その他の者の立ち会い…の有無を定めるとともに、…

条件を付することができる」(28~29頁)

 

「試行的実施を促した時は、当事者に対して

その結果の報告を求めることができる」(29頁)

 

という制度ができるということです。

 

 

要するに、

お子さんにとって無理がない場合には、

家庭裁判所が時間場所や立会人など条件を設定して、

お試しの面会交流を行うように同居親と別居親に促すことができ、

実行された場合に報告せよと求めることができる。

ということです。

 

 

あくまで「促す」ことができるのだけなので、

強制的にお試し交流を実行させるわけではないです。

 

しかし不合理な理由でお試し交流を断る親に対しては、

おそらくマイナスの評価がなされることと思われます。

 

お試し交流を拒否する場合は同居親の側でも別居親の側でも、

「子の意思」(29頁)を含め「子の心身の状態に照らして

相当でない」というフィルターを通して主張することが必要になるでしょう。

 

 

個人的にはお試し交流は、

お子さんに直ちに悪影響が出るわけでなければ、

なるべくやってみるのがよいと思います。

 

別居親の立場では、

練習の意味もあれば第1回の実績を積む意味もあります。

事前に綿密に注意事項を打ち合わせて当日に臨みます。

お子さんが少しでも楽しめるよう最大限準備します。

 

同居親の立場では、

お子さんが別居親との交流を嫌がるのであれば、

その様子を別居親に見せて自覚を促します。

交流後にお子さんに悪影響が見られればきちんと報告します。

 

 

このようにいずれの立場でも、

とりあえずやってみることは有用であることが多いです。

これまでも裁判所がお試し交流を促すことはありましたが、

制度化されることでより積極的に活用される仕組みになるでしょう。

 

とはいえ調査官の増員など必要になると思われますが、

予算や人員の手当てはきちんとやってるんでしょうか。

制度だけできても使えなかったら意味がないです。

そのあたり、大いに疑問です。

 

 

 

②一定の条件で父母以外も面会交流可能に

これまで、

おじいちゃんおばあちゃんのような両親以外の人は、

面会交流調停を申し立てる資格がない、

というのがほぼ確定した実務の運用でした。

有名な先例があるんですわ。

 

 

ところがところが、

一律にじいちゃんばあちゃんが申立できないとすると、

不都合と思われる場合もあるということで、

一定の条件付きでじいちゃんばあちゃんからの

面会交流申立も可能ということになりました。

 

「父母の一方の死亡…等の事情によって父母間の協議や

父母による申立が期待しがたい場合」(31頁)

で、

じいちゃんばあちゃんのような直系尊属、

兄弟姉妹、

その他の親族で過去にお子さんを監護していた人、

以上の範囲の人が面会交流調停を申し立てることができる。

というのが新しい制度です。

 

 

たとえばお母さんがお子さんと同居していて、

お父さんが既に亡くなってしまっている場合、

お父さんの方のじいちゃんばあちゃんが

面会交流調停を申し立てることができる、

ということになります。

 

 

こう考えると非常に限定的な制度です。

あくまで例外的な場合のみ父母以外の面会交流を認める、

ということです。

 

 

この制度についての是非は、

今のところ筆者には判断できません。

 

判断例の蓄積を待って評価したいと思います。

 

 

 

③親子交流支援団体の認証制度はナシ

これは無理でしょう。

 

「法務省は、同省のサイト上に、

「親子交流支援団体等…の一覧表について」

というページを設け、…一覧表を公表している」(32頁)

という現状があります。

 

そしてこの一覧表の中には、

明らかに特定の思想に立脚した理念を謳っている団体や、

リンク先でホームページが表示されない団体など、

けっこう玉石混交という状況です。

 

 

このような状況で認証制度を整備することは、

認証から漏れた団体からの反発や、

認証すべきでない団体を認証した場合の問題など、

様々な混乱が予想されます。

 

そのような状況で、

法曹関係者がリーダーシップを発揮して

各団体と相談し強調し合いながら

認証制度を発足させることは不可能でしょう。

 

 

したがいまして、

認証制度はナシ!

という結論もやむを得ないと考えます。

 

 

ただし将来的には、

特定の思想に偏らないフラットな立場から

あるべき面会交流の姿を策定し、

これを実現するための基準を定め、

一定の基準を満たした団体は助成金を受給できる、

といった仕組みが整備されるべきだと考えます。

 

 

 

④おわりに

というわけで改正法の面会交流制度の変更点。

重要ポイントをおさえてまいりました。

 

今回で『家庭の法と裁判51号』をこするのは終わりにして、

次回からまた平常運転に戻りたいと思います。

 

引き続きよろしくお願いしますー。

 

 

ここ数年、筆者は相続・遺産分割の事件や、

遺言作成の案件に力を入れています。

 

この歳になって思うところがあるためです。

 

 

 

筆者は周りの人の人生の終わりを、

同年代の人より少し多く見てきました。

 

 

筆者の故郷は農村でしたので、

まだまだ親戚付き合いや近所付き合いが盛んでした。

 

しょっちゅう祖母とお茶を飲みに来ていたお年寄りが、

一人ずつ遊びに来なくなっていきました。

 

 

また筆者が5年間通った大学の文学部は、

繊細できれいな心を持った若者が集まる場でもありました。

 

きれいすぎる心はどうしても濁ったこの世界と溶け合わず、

かれらはふっと一歩踏み出して世界から立ち去ってしまうのでした。

 

 

つい先日も筆者は、

面倒をみてくれた大叔父の通夜に出席しました。

 

仕事や育児の都合で最後に大叔父の顔を見るだけで斎場を後にしました。

一人で泣きながら駅まで歩き、電車に乗りました。

 

電車の座席に座っても涙をこらえることができませんでした。

出席できなかった弟に連絡すると弟も泣いていました。

いい大人になった親戚の兄弟を泣かせるタイプのおじちゃんでした。

 

 

筆者はいまどき弁護士という職業を偉いとか価値が高いとは思いません。

しかしあの日だけは心の中でこういいいました。

 

「おじちゃん、俺、弁護士としてちゃんと食っていけてるよ

偉いだろ?立派だろ?かっこいいだろ?

ちっちゃいころにおじちゃんが面倒見てくれたからだよ。」

と。

 

一日だけ、自分の心の中でだけ、

おじちゃんにたらふくご飯を食べさせてもらっていた、

小さな男の子に戻ろうと思いました。

 

 

あの日の筆者はリアルにめそめそ泣いて相当な不審者でした。

運悪くすれ違ってしまった人には申し訳ない思いです。

 

 

 

脱線が長くなりました。

筆者の悪い癖です。

 

しかし書きたいことを書かせてもらいますので、

特に修正することもしません。

 

 

 

周りの人の人生の終わりに立ち会う中で、

筆者の個人的な経験は弁護士の仕事の経験と絡み合い、

いつしか一つの信念として結実しました。

 

それは、「人生の最後は安らかであるべきだ」というものです。

最後を見つめる時期、そして最後を迎えた後も、

できる限り安らかな時間を過ごしてもらいたいと思うのです。

 

 

幸か不幸か筆者は弁護士になることができま(しかなれませんで)した。

 

弁護士はお医者様のように体の痛みを取ってあげることはできません。

 

そうであれば人生の終わりを見ている人に対して、

筆者が弁護士として提供できるものはなにか。

 

 

それはたとえば遺言や財産の整理をお手伝いして、

後顧の憂いなく安心してもらうことです。

 

またお亡くなりになった後の紛争を少しでも早期に穏便に解決し、

ご遺族の心安らかな日々を取り戻していただくことで、

結果としてお亡くなりになった方に安心してもらうことです。

 

 

と書いていて少し不思議というかわかりづらい気がします。

 

 

遺言をや財産の整理をお手伝いすることで

後顧の憂いを断つというお手伝いはわかりやすいです。

 

しかしお亡くなりになった方に安心してもらうというのはどういうことか。

 

筆者は霊魂とか死後の世界といったものは信じていません。

そんな筆者がどうしてこのように感じるのか、筆者自身も不可解でした。

 

 

今般ブログという形で言語化を試みていると次第に、

筆者自身の心が自分の書いた文字によって整理できてきます。

 

霊魂や死後の世界は信じませんが、

この世から去った人は残された人の心の中に生き続けると思っています。

 

そして筆者は弁護士としてご相談を受けることで、

残されたお客さんの心の中にいまもなお生きている、

故人さんと対面している。

どうやらそのように感じているようです。

 

 

そして、

お客さんの心の中で生きている故人さんに安心してもらいたいという感覚で、

遺産分割や遺留分侵害額請求の案件を担当している。

 

もちろんお客さんの代理人としてお客さんの利益の最大化を追求するのは大前提です。

いくら穏便に解決しようとしても紛争化してしまえば戦うこともあります。

 

それでもできるだけよい解決を常に探し求めている。

事案が解決して最後には心安らかになってもらいたいと願っている。

 

そんな感覚が通底していることにブログを書きながら気づきました。

 

 

筆者はお客様のご相談を通して、弁護士の仕事を通して、

お亡くなりになった方の姿を見ているようです。

 

逆にそういう心の中に結ばれる像が鮮明だったとき、

古人はその像を「ほとけさま」「霊」などといった言葉で表現したのかもしれません。


オカルトとは思わず、哲学的な思索だと受け取ってくださいませ。。。

 

 

脱線なのか本論なのか自分でもよくわからなくなってしまいました。

なにかもう少しかっちりとしてことを書きたくて書き始めたのですが、

まあ筆者個人のブログですからこれはこれでよしとしましょう。

 

 

 

結論的なうまい収拾の付け方を思いつかないので強引にCMで終わります。
 

遺言・相続案件ではとことん誠実にお客様に向き合って仕事をさせていただきます。

ビジネスライクでない人情派の弁護士がそろっております。

 

願わくば全ての人の人生の終わりが安らかでありますように。

お気軽にお問い合わせください。

 

杉並総合法律事務所 弁護士 菊地智史(東京弁護士会所属)

 

 

1 自分が離婚に巻き込まれたから 

たくさん離婚に関する記事を書いているので、

なんとなく自己開示しておく必要がある気がします。

 

筆者が弁護士として離婚事件をたくさん扱う理由は、

なにより筆者自身が両親の離婚に巻き込まれたからです。

 

 

 

2 両親の離婚

筆者が小学生の頃でした。

母親が、離婚したいと言い出しました。

 

転校や引っ越しをするのは本当に嫌でした。

でも父親と家に残るという選択肢はなかったので、

弟と三人で父親の実家を出ることになりました。

 

 

昼逃げの状態での子連れ別居、という形でした。

 

 

引越し先はすぐに父親に見つかり、

父親が凸してくるようになりました。

 

 

転校先ではいじめを受けました。

 

 

体育大会の準備で友達同士でチームをつくるとき、

筆者はどのチームにも入れてもらえませんでした。

 

先生が学級会を終わらせようとしたとき、

筆者は手を挙げて、

「入るチームがありません」といいました。

 

泣くまいと思っていましたが涙を止めることはできませんでした

 

 

そのほかにも席替えのときにバイキン扱いされたり、

陰口でなく聞こえよがしに悪口をいわれたり。

 

今思うとよく学校に行き続けたなと思います。

 

 

他方で母親とも折り合いが悪くて、

家にも居場所はありませんでした。

 

母親との口論が激しくなって、

 

「お前は悪魔みたいなやつだ。

お前なんか産むんじゃなかった。」

 

といわれたことを今でも覚えています。

 

「お前は(別居した)父親にそっくりだ。」

ということもよくいわれました。

 

一度は包丁を向けられたこともありました。

 

 

自死を選ばなかったのは単に筆者が臆病だったからです。

毎晩「楽に死ねないかな」ということを考えていました。

 

 

そんな中で両親は離婚調停、離婚訴訟、反訴と、

順調に離婚事件のフルコース(デザート付き)を戦い、

解決までは5年を要しました。

 

おかわり(控訴)がなくてほっとした気持ちは、

今でも忘れません。

 

 


3 父の元に移る

離婚は成立したけれど、

母親との折り合いは悪いまま。

そんな状況で高校進学を迎えました。

 

 

このままではいつか母親に手を出してしまうのではないかと怖くなりました。

 

また当時の母親は極端に生活を切り詰めており、

済んでいた家は築50年の汲み取り式トイレの一軒家でした。

冬になると隙間風がひどくて、

家の中でもアウター含めて服を4枚着て生活していました。

ベッドに入るときはアウターを脱いで服は3枚でした。

そういう生活もしんどくなっていました。


 

筆者は母親にはいわずに父親に電話で連絡し、

一人で荷物をまとめて家を出る段取りを調整し、

そのあとで母親に「父親の実家に移る」と伝えました。

 

母親は諦めたような肩の荷が下りたような顔をしていました。

後から丸くなった母親に聞いてみたところ、

母親自身も「物理的に離れなければ自分たち親子はダメになる」

と感じていたそうです。

 

 

父親の元に移ってからは母親との関係もよくなりました。

 

 

 

4 弁護士になってもしんどい

そこから大学→法科大学院→司法浪人→弁護士と進んだわけです。

 

しかし弁護士になっても順風満帆ということは一切なく、

精神的なプレッシャーでで左まぶたのけいれんが数か月続いたり、

指先にろうそくの火を押し当てられたような感覚が発生したりと、

これまでにないストレスを感じる日々でした。

 

 

筆者は仕事の覚えが悪く、

ミスも非常に多い新人弁護士でした。

 

先輩弁護士から怒鳴られることもありましたし、

遠回しに弁護士に向いていないとほのめかされもしました。

一生懸命自分の考えをいうと馬鹿にされることもありました。

「あんな低レベルな本を持っている」と見下されたこともありました。

こんなに頻繁にどやされている人は初めて見たといわれたときには、

自分は弁護士の適性がないのだと考えて絶望しました。

 

 

でも、頑張り方や努力のしかたを教えてくれる人はいませんでした。

先輩弁護士が怖くなって、そういうことを訊くこともできなくなりました。

 

毎日職場に行くのがほんとうに嫌でした。

弁護士に向いていないので弁護士を辞めたいと常に感じていました。

 

 

でも辞める前に自分なりに努力しようと思いました。

筆者は先輩からの信用がなくあまり仕事を振ってもらえなかったため、

時間だけはありました。

 

そこで筆者は一つの分野を徹底的に勉強しようと思いました。

そこで自然に再会したのが「離婚」でした。

 

 

離婚事件を勉強しようと思ったきちんとした理由はいくつもあります。

 

そのほかに興味のある分野は非常に詳しい先輩がいて絶対に勝てないと思ったこと。

離婚事件を勉強しようという発想の弁護士があまりいなかったこと。

離婚事件の相談は一定割合で来ていたのですぐに仕事に役立つこと。

などなどあります。

 

でも一番の理由としては、

離婚事件がもっとも「他人事」でなく「自分事」に近かったことです。

時間や労力を費やして打ち込むことが最も自然に思えたのです。

 

 

いまでこそ人生経験が蓄積し、

相続事件、不動産事件、中小企業顧問、

といった分野についても「自分事」としてとらえ、

お客様に共感しながら仕事を進めることができます。

これらの事件の経験も勉強も相当してきました。

 

でも当時、足のつかない流れの中でおぼれていた筆者が、

手に掴んだのはやはり当時もっとも自分事に近かった離婚事件でした。

 

 

筆者は離婚のプロを目指し、

離婚関係の数百ページある専門書を難十冊も通読し、

離婚事件のセミナーに参加したり通信教材を視聴して勉強しました。

 

そうして数年かけて筆者は、

離婚分野では同業者先生から頼っていただけるようにもなり、

法律雑誌に載るような先例も獲得し、

勝てると踏んだ事件ではきちんと勝てるようになりました。

 

 

そのようなキャリアを努力して構築した上で、

現在の事務所に移籍してきてもう5年になります。

 

振り返ってみると離婚を得意とする弁護士としての筆者のキャリアは、

筆者を信じて仕事を任せてくださったお客様のおかげで成長しました。

そしてまた現在も成長を続けているところです。

 

 

 

5 おわりに

これを書いてたら過去のつらい思い出がよみがえってきて、

ひさびさに家でお酒を一杯だけのんでしまいました。

 

 

筆者の仕事におけるスタイルは

・「何でも屋」は「何でもない屋」、尖った得意分野を複数持つ。

・勉強は徹底的に、一つの法律相談をきっかけに5冊の専門書を読んだっていい。

・共感できるお客さんと仕事をし、弁護士の思いも伝えながら事件を進める。

・裁判所や相手方には優しく愛想よく丁寧に、喧嘩するときは徹底的に。

・馬鹿にされてもあらゆる角度から柔軟にアイディアを出す、ときには370でも。

といったようなものです。

 

このスタイルは離婚事件を通じて固まったものです。

その意味でも筆者は離婚事件のお客様に対して感謝すべきでしょう。

 

 

筆者は引き続き離婚事件をライフワークとして位置づけます。

特に、たくさんのお金やお子さんが絡む、類型的に揉めやすい事件が得意です。

 

離婚のことでお悩みになったら一度ご相談にきてくださいね。

 

杉並総合法律事務所 弁護士 菊地智史 東京弁護士会所属