BOOK「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」村上春樹・柴田元幸 著
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を翻訳した村上氏と監修に携わった柴田氏がその魅力について語った対談集兼解説書。
「キャッチャー」はサリンジャーが戦争から帰還してから書かれた作者の自伝的小説でもあります。でも単なる
思春期における自己探索の物語、
大人になりたくないピーターパン症候群の男の子の物語、
社会に反抗する無垢な少年の物語、
情緒不安定な子のたわごと、
だけではない意外と奥の深い小説なのであります。
でも主人公があーだこーだとつかみどころなくしゃべり続けるので、いい小説なんだけど、なんだかな~というのが正直な感想でした。
村上氏が語る魅力の一つに作者は枠組みをき ちんと組み込んで物語を作るというやり方ではなく、とりあえず目的地を目指さずに線路のない道を走らせてみよう、みたいな流動的な文体で作り上げている「生きた物語」だ、と。
なるほど、ivisはわりと構成がしっかりした小説が好きだからこの手の文体は馴染みにくいというか、ちょっと肌に合わない感じだったかも。だけどなんか心に残るんだよね・・・優しさを感じるんですよ。
その他にも作者サリンジャーが執筆した時代背景、登場人物の位置づけや村上氏は小説家ならではの視点から、さまざまな角度から「キャッチャー」を分析しています。