映画「サマリア」 | ivisのブログ

映画「サマリア」

またしてもギドク監督の韓国映画。


娼婦ありながら一夜を共にした後に男を信仰へと駆り立ててたある意味聖女ともいうべき伝説のインド人に自分を重ね、無邪気に援交に励むチェジン。

その彼女のマネージメント兼見張り役の親友ヨジン。

ある日現場を取り押さえられたチェジンはホテルの窓から飛び降りて事故死しちゃいます。ヨジンはショックを受け、お金と今までの記録を焼き捨てようとするけど、彼女の贖罪のため援交相手に会いに行きお金を受け取らない娼婦と化します。

ある日父親が偶然その現場を目撃。その後彼は娘を執拗に見張る日々を送る・・・


若い女の子とセックスが出来ることを喜ぶ中年男に愛おしさを感じているチェジンに対し、そんなオヤジを毛嫌いするヨジン。対照的な考え方の2人はチェジンの死によって1つになります。

彼女たちの行為は身を売るというよりは愛を分け与えているって感じかな。ある意味人間愛、無償の愛だよね。だからこの監督の描く娼婦は堕落したようには見えないのよね。彼がキリスト教徒というのも関係しているのかも。

だけどいくら無償の愛とは言え、親の立場からしてみるとショックで悲しみと同時に相手に怒りを感じるのは当然の感情。愛情が深ければ深いほど傷つきます。そして傷ついた心は正常な精神から逸脱した思いもよらない行動に出てしまうんですよね。人間っていつ心が壊れるか分からないもんね。



暴力や血を流すシーンもあるけれど映画全体を流れる透明感は静かな余韻を残します。