医療で大切なことは様々あります。

 その大きな要素が”タイムリー”です。スポーツ、とくに野球では”タイムリー・ヒット”が大きな点に結び付きます。同じヒットでも、途中でポツンと出たのでは、あまり結果に結び付きません。

 

 ある患者様からコメントでいただきました。卵管の通過性が悪く他院で何度も体外受精を受けて妊娠されなかった方が、当院で卵管鏡下卵管形成術(FT)を受けて、すぐに自然妊娠をされたという嬉しい書き込みがありました。このケースも、私のブログを見て「自分は卵管因子だからFTを受けよう」と思い立ってすぐに当院を受診され、治療を受けて妊娠された”タイムリー”を象徴するケースです。

 その時に「どうしようかな」「少し遠い場所だし」などなど考え、すぐに受診されなければ、その時期を失われていたかもしれません。

 

 卵管造影で異常が見つかった時に「FTの適応ですね」と言われ、その時に受けてしまうと受けられるのですが、しばらくすると印象が薄れ「まあ、いいか」とずるずるそのままになる可能性が高くなります。

 ”鉄は熱いうちに打て”の格言通り、必要性のある時に”タイムリー”に治療を受ける必要があります。体外受精もそうです。体外受精の適応と分かれば、早いに越したことはありません。”タイムリー”に受けることが良い結果につながります。

 

 不妊治療そのものが”タイムリー”が最も重要な医療です。女性年齢、不妊期間、すべて”タイムリー”に治療をする必要があります。

 痛みに対する医療と同様です。「痛い痛い」と言っている患者様に、「じゃ、来週に痛みの治療をしましょう」では、心のこもった医療とは言えません。

 

 ”タイムリー”はすべての医療にとって金言です。特に、不妊治療では”タイムリー”が初めから終わりまで大切なのではないでしょうか。

 

 私はみなさまに”タイムリー”医療を、”タイムリー”に提案できるよう、いつも心掛けております。”タイムリー・ヒット”につながることを祈って。