今年の私の診療では、いろいろなことがありました。

 患者様のプライバシーの関係で細かいことは言えませんが、

 

子宮内膜症合併の超困難症例の妊娠

子宮腺筋症合併の超困難症例の妊娠

46歳での困難症例の妊娠

超困難症例の分割胚移植での妊娠

原因不明不妊の方の遺伝子解析による不妊原因特定

 

などなどですが、最後の不妊原因遺伝子の特定について少し書いてみます。

 体外受精を何度してもきれいな受精卵や、成熟卵自体が得られない患者様がおられます。

 多くの施設(以前は当院でも)ではむやみに何度も採卵を行い、刺激方法を変えたり、授精方法を変えたり、培養液を変えたり、HCGのタイミングを変えたり、などなどいろいろなことをしていました。ところが、最近の研究で、卵子が成熟しない、きれいな受精卵ができない、など遺伝的な形質として持っておられる方がおられることが分かってきました。

 まだ、そんなに多くの遺伝子が分かっているわけではありませんが、一部明らかになっている遺伝子があります。

 

 当院では20回近く採卵を行っている患者さんに対してそのような検査を実施しています。

 その結果、そのような遺伝子をお持ちの方がおられました。この遺伝子が見つかれば、現在の不妊治療は無効ですから、違った方法に進まなければなりません。

 

 本年は、このような日本で先駆けとなる取り組みを始めました。

 患者様でこのような遺伝子が心配な方は、一度ご相談においでください。基本的には採血だけで可能です。