体外受精の成績を左右するのが初診時の診察です。

 

 第一は、医師がいかに病歴を正確に取るか。これを問診と言いますが、問診を十分にすることは、医師の責務です。これは大変重要なことです。過去の結婚歴や妊娠歴について正確に聞く必要があります。ときにプライバシーの侵害と思われるようなこともあるかも知れませんが、妊娠歴は非常に大切な情報を含んでいることがあります。再婚の場合、初婚時の妊娠は不妊に関する情報として大変重要です。このような情報を聞かれないようなことがあれば、患者様の方からでも、医師に伝えてください。


 第二に初診時の診察。超音波で子宮や卵巣の状態を見る診察です。このエコー診を丁寧に行わない医師は、不妊治療の医師としては失格です。子宮の形態はどうか、子宮内膜の形態はどうか、卵巣の状態はどうか、更に子宮内腔の状態はどうか、異常のそれぞれを丁寧に観察する必要があります。

 また、エコーを実施するときには、患者様に一つ一つ説明する必要があります。ただ、医師だけが一人で実施してはいけないと、私は考えています。

 診察室に戻れば、患者様に写真をお見せして丁寧に説明する必要があります。患者様の子宮や卵巣を観察させていただいたのですから、説明する必要があります。

 

 第三に、診察結果から今後の治療方針の、あらましを説明する必要があります。まだまだ検査はありますが、初診の診察で得られた結果から、大体の方針を説明することができます。

 

 皆様、初診を受診されれば、このような情報が得られること、またこのように実施すべきであることを知って、受診していただきたいと思います。自分自身の不妊治療ですから、信頼できる医療機関で、信頼できる医師から治療を受けましょう。

 われわれIVF大阪クリニックの医師は、一人一人がそのような気持ちで診療を行っています。