不妊治療での決断 | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 不妊治療で何が大切かを考えてみると、やはり決断だと思います。これ、人生と同じです。タイミング法を続けるのか、FTを受けてみるか、人工授精に進むのか、はたまた体外受精を受けるのか。

 たとえば、精液検査に異常がなく、月経周期も正常で、いままで普通に性生活があり、数年間妊娠していない。

 

 もし、卵管造影検査で卵管通過性に異常(卵管が閉塞していたり、狭くなっていたり)があれば、まず卵管を通す手術を受けるべきだと思います。ここで、数周期そのままで経過を見るのもいいのですが、せっかく異常が見つかったのですから、その手当をするのがいいのではないでしょうか。

 

 もし、卵管が正常で、月経周期にも異常がなく、性生活も普通に持てていて、精液検査で精子に問題があれば、まず人工授精を受けるべきだと思います。いままで妊娠しなかったから受診されたわけで、異常が見つかれば、それに対処するのが治療です。”善は急げ”です。早いに越したことはありません。日々、年齢は大きくなっていきます。

 不妊治療でもう一つ大切なことは時間の壁です。また”鉄は熱いうちに打て”、すなわちその気になった時に行うのが一番です。

 

 もし、女性年齢が40歳を超えていれば、すべての検査が正常でも、すぐに体外受精に進むべきだと思います。このような場合でも「こんなにすぐに体外受精ですか?」と聞かれることがあります。そう思われる感覚も分かりますが、これまで何も異常がなく何年も妊娠されなくて不妊外来を受診されているわけですから、実は”こんなに直ぐに”ではないのです。

 ここまでに既に数年間の時間が経っているということ、40歳を越えると体外受精の成功率が急速に低下することを認識しないといけないと思います。不妊治療には時間の壁があることを忘れてはいけません。残念ながら、保険適用にも時間の壁があります。

 

 上に書いたように、さまざまの”もし”が存在します。自分に当てはまる”もし”が見つかれば、勇気を出して決断してください。決断がなければ前には進みません。正しい考えかどうかは分かりませんが、私自身は”前に進んでの失敗は仕方ないと思いますが、前に進まなくて後悔することはしたくない”と考えて生きています。

 

 不妊治療、患者様にとって大変なことも多いと思いますが、大切なことは”決断”だと思います。皆様が決断されれば、私たちは精一杯お手伝いします。まだまだ暑い日が続きますが、暑さに負けない熱い心で頑張ります。