シンプルIVFのおすすめ! | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 このところ体外受精は過剰に手を加えているように思えてなりません。

 今年の保険適用により、原点の体外受精に戻りつつあるような気がします。一部のクリニックはやたらと、「何々の検査をしないと妊娠率が向上しない」と言って、追加の検査や治療をすすめます。2000年以降、着床検査の類がいっぱい増えてきています。患者様も医師から着床検査の話をされると、検査なしでは着床しないような恐怖心に駆られて、いろいろな検査を受けたくなります。この気持ちは十分に理解できます。

 もしこのような検査が本当に効果があるなら、体外受精の成績は毎年向上するはずです。皆様日本の体外受精の成績を見てみてください。日本産科婦人科学会のホームページを開いていただいて、「一般の方へ」のところでいいですから、生殖医療の成績を見てください。日本の体外受精の、採卵当たりの出産率は2000年からずっと低下しています。悲しいことに2020年の成績は5%以下です。もし、10年以上前から開発されている着床検査が有効なら、少なくとも最近10年ぐらいは妊娠率が向上していいのではないでしょうか。ずっと低下し続けています。体外受精で何が大切なのか考える必要があります。

 当院では、2022年は体外受精の成績が向上しました。その大きな理由は、体外受精の保険適用を契機に、わたしが推進している、基本の卵巣刺激、新鮮胚移植、胚移植手技に焦点を当てる、患者様に応じて分割胚移植か胚盤胞移植かを選択する、そしてなにより「患者様のための、患者様に応じた、患者様に寄り添う医療」を実践したからだと思っています。

 本年の医療の激動期に得られた教訓を糧に、来年誠心誠意尽くして行きたいと思います。