新型コロナウイルスワクチンについて、私の考えを書いてみます。

 

 新型コロナ感染症に対する緊急事態宣言が日本の各地に対して次々と発令されています。また日本でも遂に新型コロナウイルスワクチン接種が現実味を帯びてきました。医療機関に対しては、どの程度の人数分のワクチンが必要か、を検討するための調査が既に始まっています。

 患者様からも「不妊治療中にワクチンを接種しても問題がないか?」とのご質問を受け始めています。また「妊娠中にワクチン接種を受けてもよいでしょうか?」とのご質問も受けています。

 これはあくまでも、私の個人的な考えですので、標準的な正しい答えかどうかは、分かりません。ただ、世界中の誰に聞いても、現時点では絶対的な正解はないのではと思います。

 

よく聞かれる質問で、

1.あなたはワクチンを打ちますか?

 私は接種可能になれば、すぐに打ちます。全くためらいはありません。

私は個人的信念として「医療に携わる人間が率先して打たずに、誰が打つでしょうか」と考えています。医療者は率先してワクチンを受けるべきだと考えています。自分の気持ちから来る感覚だけで、他の人の不安をあおるようなことは言うべきではない、と考えています。もちろん科学的裏付けのある副作用があれば、開示してもらわなければならないのは当然です。その辺は、混同しないようにお願いいたします。医療者でも、自分の考えや信念に基づいて接種を受けない方は、何も言わず黙って受けなければいいと思います。(個人的見解です)

2.不妊治療中にワクチン接種を受けていいですか?

 受けられていいと思います。不妊治療のための通院などで公共交通機関を使えば感染の機会があります。そればかりか、お仕事でも、スーパーへのお買い物でも、人との接触のみならず、エレベーターのボタン、ドアノブ、階段の手すり、どこにでも感染の機会はあります。また、次に書いていますように、治療で妊娠されたとしても、事前にうったワクチンで問題の起こるようなことはない、と考えられます。現にイスラエルでは国民の5人に1人はワクチン接種が終わったと言われています。

3.ワクチン接種後に妊娠しました。大丈夫でしょうか?

 個人的見解ですが、問題ないと思います。なぜなら厚労省の妊婦さんへのお知らせでも「妊娠中に新型コロナ感染に罹患しても、非妊婦の方と経過や重症度に差はありません」と書かれています。同様に、妊婦が新型コロナ感染に罹患しても「流産を起こしたり、出生児に異常を起こすことはありません」と書かれています。それに今回のワクチンはRNAワクチンと言い、新型コロナウイルス自体を弱毒化したものではありません。

4.妊娠中にワクチン接種を受けていいでしょうか?

 日本感染症学会では、妊婦への安全性が確認されていないため、優先接種対象者に含めることはできない、とあいまいな表現になっています。医療従事者のような優先的な接種は、現時点ではすすめられない。逆に言えば、接種していいですが、もう少し待ってからでどうでしょう、という表現です。ところが、海外の報告では、コロナウイルスが胎盤の炎症や早産のリスクとなるため、妊婦も接種すべきではないか、と書かれています。

 

 私の考える結論として、不妊治療中にワクチン接種をして妊娠されても問題は無いと思いますし、妊娠中であっても新型コロナ感染のリスクの高いお仕事(医療や介護職など)をされている方は、コロナウイルスワクチンを接種されていいのではないかと考えています。

 以上書きましたのは、あくまで私の考えですので“新型コロナウイルスワクチン”接種を受けるかどうかの最終判断は、患者様個人にお任せするしかないと思います。世界中探しても、現時点で絶対的な正解はないと思います。新型コロナウイルス感染拡大は、全世界にとって全く想定外の事態ですから。