2024年5月6日から8日の3日間マレーシアのクアラルンプールで開催された

第21回International conference of preimplantation geneticに参加しました。

 

当院からは胚培養士の中野と私が参加し、ポスターによる5分間の発表と質疑応答を行いました。

日本からは、藤田医科大学で当院顧問の倉橋浩樹教授、札幌医大の真里谷奨先生、元県立広島病院の原鐡晃先生が参加されていました。

着床前検査(PGT)の国際学会で、最先端の診断技術の紹介、世界的な動向、将来の着床前検査などが発表されました。今回の学会ではPGT-Aの染色体に関するものが多く、遺伝性疾患に関する発表は数題でした。染色体検査に関しては、モザイクの問題や胚生検を実施せずに培養液からDNAを採取する非侵襲的PGT-Aの講演が多く認められました。モザイクに関しても、未だに真のモザイクか、検査により生じた見かけ上のモザイクかを区別できないため、50%以下のモザイクは移植に用いるようにするのがよいと考えられます。また、非侵襲的PGT-Aは正確性の問題から、実用化される段階ではないと考えられています。

 

今回、ある会社からDNA増幅がきれいにできる技術が報告されました。その方法を用いることにより、モザイクなどの頻度も減る可能性があり、正確な診断ができるようになる可能性があります。

遺伝性疾患に関しては、海外では肥満や糖尿病になりやすいなどの多因子遺伝を調べる方法(PGT-P)と、全遺伝子検査を行うPGT-WGSが紹介されました。デザイナーベビーのような応用も可能であるために、倫理的な問題と費用との問題など、我が国では実施できる状態ではありません。

 

さて、学会はクアラルンプールは最高気温35度くらいで、蒸し暑く、夕方には強い雨(スコール)が度々ありました。イスラム教徒が約60%、仏教徒が20%であり、食事も豚肉はなく、鶏肉と牛肉、魚が主であり、スパイシーな食事が多く、毎日食べていると胃腸に応えるようになり、最後は辛くないヌードルを食べていました。

また、今回はトラブルもあり、まずは、2日目の食事の後に私が持っていたリュックに入れた財布すられました。チャックが開いていることに気が付き中の財布が盗まれていました。幸いにも、カード1枚と少額の現金のみしか入れていなかった財布のために、不幸中の幸いでした。人混みの多い場所から、明るい人の少ない駅の中であったので、切符を買ってから改札までの間の出来事でした。リュックは前に持つのが基本ですね。

また、帰国時のマレーシアエアラインが機体のやりくりがつかずに、9日の夜から10日朝の出発に変更になりました。幸いにも夜はトランジットホテルにて、過ごすことが出来ました。これも不幸中の幸いです。

 

今回の学会で得られた情報を皆様にも還元していきたいと思っております。

写真は学会の参加者と、学会参加中に満開状態となっていた当帰です。