今年も早いもので既に1ヶ月半経ちました。治療成績に関しては、年明けも昨年同様に高い妊娠率を継続しています。
さて今最大の問題は、排卵誘発剤や黄体補充に必要なホルモン剤などの供給不足です。保険化によって使用量が増えたことが一因となっていることに加えて、海外での医薬品供給の完全ストップなど、一つの製品が供給されなくなると他の製品にまでしわ寄せが生じ出荷制限や出荷停止になってしまいます。今までであれば、薬が欠品するなどは日本では考えられないことと思っておりました。特にHMG(卵胞刺激作用のあるFSHに加えて、黄体化ホルモンLHの含まれている尿由来のホルモン製剤)が、非常に入手困難となっています。また、黄体ホルモン腟錠や内服薬も供給制限されています。皆様のご希望に添えない場合があり、ご迷惑をおかけしますがご了解いただきたく思います。
少子化が叫ばれて長い期間経ちますが、4人目を目指して治療を行われている41歳の女性がおられます。生殖医療を受けられている方の多くは2人までの挙児を希望されていますが、4人目を希望されて治療されている方は少数です。この少子化の時代に多くのお子様を出産希望される事には本当にうれしく思います。さらにその方は名古屋から遠方にもかかわらず当院での治療を希望され、3人のお子様に恵まれています。現在、胚が2個凍結保存されていますので、今回もオンライン診療などを活用して胚移植に向けて準備されています。今回の胚移植もうまくいくようにお祈りしています。
最後に 今年の一年の抱負として、〝 一陽来復〟 を色紙に書きました。冬至である陰暦の11月(復の卦)には日が長くなることから陽気に転換する時とされ、「良くないことが続いた後に良いことが巡ってくること」の意味です。治療中の皆さんは身体的、肉体的、経済的にもつらいと思いますが、一陽来復を信じて頑張ってください。
私は今年になって運動不足を実感し、通勤時のバスに乗る区間を歩くようにしています。3Km位の距離ですが心地よい運動となっています。