9月1日から着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)が臨床研究でなくなることに伴い、適用が変わります。

 

検査の対象は、

・反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦.

・反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦.

です。

反復する体外受精胚移植の不成功は過去に2回以上移植の不成功があれば、直近の2回連続でなくても良いことになりました。

また、反復する流死産の既往を有する不育症は、過去に2回以上の流・死産がある場合で、今まで必要であった夫婦染色体検査や抗リン質抗体症候群の検査は不要となります。

 

 PGT-Aは胚の染色体を調べることにより、妊娠率を上げ、流産率を下げることを期待して実施されています。我が国で実施された臨床研究の結果は後日公表されることになっていますが、中間報告での成績は移植当たりの妊娠率は66.2%、流産率は9.9%と良好でした。

 

 PGT-Aの有効性は人によりかなり異なります。年齢の若い方(35歳以下)には、胚の染色体異常率が低いために、有効性は少なくなります。染色体異常胚を省くことにより、妊娠率が少なくとも高くなると考えられるかもしれませんが、成績は変わらないとする報告があります。検査には胚から5-10細胞を取る生検が必要となります。その生検が胚に悪い影響を与える可能性があるからです。胚に与える影響の程度は、生検の技術や胚の質が関係します。

 流産を減らしたいと考えられている方にとっては、非常に有効な治療法であり、また、多くの胚が得られる年齢の高い方は有効性が高いと考えられます。

 

 今回の適用の変更によりPGT-Aを受けやすくなる一方で、PGT-Aを実施すれば、体外受精に保険が適用されなくなります。非常に大きな問題です。

 今後、先進医療としてPGT-Aが実施できるようになれば、体外受精は保険で認められることになります。先進医療の実施はいつになるか未定ですが、詳細が分かり次第ご報告させていただきます。

 

 先日当院でアイシングクッキー作りを行いました。

参加の皆様はきれいな海をイメージされたクッキーを作られていました。私は波打つ岩を左にした少し荒っぽい海のクッキーを作りました。いかがでしょうか。

コロナ感染の関係から、人数制限を行った上での開催でした。短時間ではありましたが、作製に夢中になることでリラックスしていただき、また、患者様同士やクリニックスタッフと楽しいひとときを過ごしていただくことが出来たのではと思います。

看護師主催で行っております。参加いただけなかった方も、次の機会にご参加下さい。

ご参加いただいた患者様、また、企画をしていただいたスタッフの皆様、有り難うございました。