こんにちはKinoshitaです。
みなさん
精子にも
・未熟なもの
・成熟しているもの
があると知ってますか?
精子のDNAが損傷していないことは
妊娠にとって大切なことの一つです!
未熟な精子は
精子の形に異常があったり
DNAに損傷があったり
することが以前より報告されています
(Gabor Huszar,.Fertil Steril,79 Suppl 3:2003)
では精子を選ぶとき
成熟した精子を選びたいですよね!
成熟した精子とは
どういったものなのか?
成熟した精子は
卵子の周りにあるヒアルロン酸にくっつく能力が高い
という性質があります。
つまり、
この能力を使って
成熟な精子を選ぼう!
という試みがPICSIだと考えてください。
それでは、実際に精子を選んでみましょう!
精子が通常の培養液からヒアルロン酸が入った培養液に
左から右に進むとします。
みなさんなら、(1)(2)(3)どの精子選びますか??
ヒントは
ヒアルロン酸にくっついて、進まなくなっている精子はどれか?
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答え:(2)
近年の報告では
PICSIは
・受精率や移植可能性の割合を改善する
(Persky,M.N.,Andrology,9,2021)
・乏精子症の方の臨床妊娠率を改善する
(Rezaei,M.,Am.J.Clin.Exp.Urol.,2021)
・顕微授精I不成功に対して生児獲得率を改善させる
(Scaruffi,P.,Andrology,10,2022)
さらに
・PICSIでは年齢上昇による生児獲得率の低下が改善
・高齢女性ではPICSIにより流産率と生児獲得率が改善
(West,R.,Hum.Reprod.,30:1106-1125,2022)
私が一番PICSIに期待している考え方は
卵子には
DNAを修復する機能があることは知られています。
なので、
授精した精子が、ちょっとくらいDNA損傷があっても
卵子がそれを治してくれる可能性があります!
しかし・・・
卵子が高齢になるとその修復の機能が低下すると考えられる
(Jordi Ribas-Maynou,.Genes(Basal),10(2):105,2019)
高齢卵子では特に
より成熟した,DNA損傷の少ない精子を選んであげたいわけです!
2024年までの当院方針としては
先進医療の場合
・移植2回実施して妊娠に至らない場合
自費診療の場合
・高齢女性で顕微授精を必要とする場合
・流産歴があり顕微授精を必要とする場合
・明らかな男性因子、精子所見が乏しい場合
にPICSIをとり入れています。
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