おはようございます。Kinoshitaです。
子宮鏡、内膜病理検査、EMMA/ALICE、ポリープ切除などで慢性子宮内膜炎を疑われた方も多くおられるかと思います。
なんか、よくわからんけど担当の先生からそんな難しい名前言われたな・・
治療した気がするな・・・
という方も多いのでは??
では、慢性子宮内膜炎の治療とその効果についてみていきましょう。
#慢性子宮内膜炎の治療について
・主に抗生剤治療が行われます。
第一選択として
ドキシサイクリン(200mg/日)の2週間投与
よく使われるのはビブラマイシンですね!
第二選択として
シプロフロキサシン(500mg/日)かオフロキサシン(400mg〜800mg/日)
と
メトロニダゾール(500mg/日)
を組み合わせた2週間投与
#ではその治療効果は?
世界で報告されている内容まとめておきましょう
(Kitaya K,Am J Reprod Immunol,78,2017)
・慢性子宮内膜炎患者の92.3%は第一選択の抗生剤で治癒した。
・また、第二選択の抗生剤を追加投与した場合は最終的に99.1%が治癒した。
(McQueen DB,Fertil Steril,104:927-31,2015)
反復早期流産、胎児死亡を有した慢性子宮内膜炎患者に
第一選択薬と第二選択薬で治療を行なった。
1コース投与後の治癒率は94%
2コース投与後の治癒率は100%
(Cicinelli E, Hum Reprod,30:323-30,2015)
・抗生剤治療によって治癒した体外受精患者VS治癒しなかった患者
治癒した患者の以下成績が有意に高かった!
(妊娠率:65%と33%)
(抗生剤治療1年後の妊娠率 74.8%と24.4%)
(生産率:60.8%と13.3%)
(Vitagliano,Fertil Steril.110:103-12.el,2018)システマティックレビュー
・抗生剤治療により組織学的に治癒が確認された患者VS治癒しなかった患者
着床率
妊娠率
妊娠継続率
生産率
全て治癒した患者が有意に高かった!
・慢性子宮内膜炎が治癒した患者VS慢性子宮内膜炎ではない患者
体外受精の成績は同等である
流産率も有意な差はない
Kinoshitaより)
日本においても着床前検査(PGTA)が始まり。
受精卵以外の妊娠要因がさらに注目されるようになりました。
そんな中で名前が一気に全国へと広まったのがこの慢性子宮内膜炎でしょう。
確かに、2015年以降のこの論文成績などをみていくと
体外受精とともに慢性子宮内膜炎治療が実施されてきた時代の流れが理解できますね。
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