こんにちはKinoshitaです。

子宮内膜ポリープについて、慢性子宮内膜炎についてです

 

#子宮内膜ポリープと着床不全に関わる慢性子宮内膜炎について

なんと、内膜ポリープを持った人のうち、慢性子宮内膜炎と診断された人が51.3%もいたと報告されています

(Amerigo Diagnostics(Basel),11:2182, 2021.)

つまり、

内膜ポリープと着床不全に関わるとされる慢性子宮内膜炎との関係を考える必要が出てきました。

 

#ではなぜ、内膜ポリープと慢性子宮内膜炎には関連があるのか?

なんと完全にはまだ解明されてません!

こんなに医療は発展しているのに・人体って奥深いですよね。

でも、わかってきたこともあります!

・慢性子宮内膜炎が先にあって、内膜ポリープはそこから発生した!

・内膜ポリープが先にあって、そこへの炎症反応が周囲の内膜に影響して、慢性子宮内膜炎が発生した!

この二つが考えられるようになりました。

(Carvalho,J. Obset.Gynecol.Reprod.Biol.,170:152-156,2013)

鶏が先か卵が先かみたいな感じに思えますね・・・

私はどちらの経路も念頭に入れて、いつも検査・治療するようにしています。

 

#内膜ポリープの数と慢性子宮内膜炎の関係について

ポリープの数と慢性子宮内膜炎については論文で違う結果が報告されています

・数と慢性子宮内膜炎の関係はなかった

(Luyan, G.,J. Obstet.Gynaecol, 47: 389-396, 2021.)

・数の増加とともに慢性子宮内膜炎の割合が増えた

(Jintao, P.,J. Obstet. Gynaecol.,159: 563-567,2022)

イメージではポリープ多数あれば内膜炎が増えそうですが、

ポリープが少ない場合も、内膜炎の存在は考慮しておいといた方が良さそうですね。

 

#内膜ポリープの大きさと妊娠について

1cm以上と1cm未満で自然妊娠率の差を検討した論文がある

・最大径に関わらず、自然妊娠率の低下が認められた。

(Stamatellos, I., Arch.Gynecol.Obset.,277:395-399,2008.)

 

2cm以上2cm未満でIVF妊娠率を検討した論文がある

・ポリープ切除をしてもしなくても、妊娠率に差はなかった

・ポリープ切除を受けなかった場合、流産率が上昇した

(Lass, A., J. Assist. Reprod. Genet., 16: 410-415, 1999.)

 

Kinloshitaより)

現状では、ポリープの大きさや数と内膜炎との関係性は一致した見解にはなっていなさそうです。

不妊治療を実施している方で内膜ポリープが認められた際は、

現在の治療状況、自覚症状などをベースに不妊治療、慢性子宮内膜炎検査、内膜ポリープへの対応を慎重に組み立ていくことが必要だと考えます。

 

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