こんにちは。Kinoshitaです。
前回に引き続き、帝王切開についてです。
最新の論文をさらにチェックしていきましょう。
Hum Reprod,Volume 35,Issue 1,January 2020,Pages89-99
帝王切開による子宮の傷跡が綺麗に修復しないことでおきる、
帝王切開術後の合併症について注目がされている。
帝王切開による子宮の傷跡部分に液体が貯留することが報告されている。
→帝王切開瘢痕症候群と言われます。
この液体が着床に悪い影響があると多数報告されている。
帝王切開後に次の子供を希望し、
採卵の為に卵巣刺激をした場合、傷口に液体が溜まってしまう患者の割合は40%であった
胚移植の時には液体の貯留を排除するように特別に注意を払う必要がある。
その結果、凍結融解胚移植に対する悪い影響を回避できる可能性がある。
(Kinoshitaより)
絵が下手ですいません(泣)
でもイラストがあったほうがわかりやすいかと思いまして書いておきます。
子宮→妊娠し帝王切開すると→傷口に粘液がたまり→粘液の逆流や不正出血がおきる
というイラストです。
この傷口の液体がどこにいくかで問題が変わります。
当院では移植前に液体貯留を確認し、場所や量によっては移植直前に液体除去もしくは移植をリセットし内膜を作り直すことにより良い内膜環境を作る事にしています。
今まで不正出血とかなかったのに、帝王切開した後から生理後になんか少量の出血あるよな~
って思っている方が多くいらっしゃいます。
この帝王切開瘢痕症候群の液体が外にでて不正出血となるケースも多くあるので気になる方はチェックしてもらいましょう。
あと、不正出血のチェックの場合は必ず
子宮頚がんもしくは子宮体がん
のチェックもしておきましょう。