こんにちは。Kinoshitaです。

 

人はいつまで妊娠ができるのか??

という話をしたいと思います。本当によくよく聞かれる質問です。

 

妊娠年齢の限界はかなり個人差があるので一概に何歳までということはできません。

(治療するか・しないか?出産の経験あるか?年齢・AMH値に合わせた最適の治療法が実施できているか?など多数・・・)

 

体外受精の患者様で47歳妊娠、48歳出産のケースも経験しましたし、

つい先日も42歳で体外受精開始2ヶ月で妊娠となり卒業された方もおられます。

 

一般的にいうと出産可能な年齢の限界は閉経の10年くらい前と言われます。

平均の閉経年齢は50歳とされるので、40歳程度が境界線となります。

不妊治療の専門とする医師が”高齢だから”という言葉で治療終了のお話をするのも、43歳以上のケースが多いのではないでしょうか。

助成金対象も43歳未満(治療中は43歳もOK)となっています。

 

とても興味深いデータを一つ出します。

現在は不妊治療、避妊、人工中絶という出産を選択する時代なので、人が持つ自然の妊娠力というのをデータにすることはかなり難しいです。

そこで、不妊治療も避妊も中絶も選択肢にない時代の歴史的な統計を調べてデータにしたものがあります。

 

Menken et al.,Sience,1986

出産の可能性が最もあるのは20代前半がピークでその後は少しずつ下がってきます。

そして、40代になると出生率は急激に低下しています。

40代前半でさえも20代の4/1以下となっています。

40代後半では1000人あたりの出生数は20人前後(2%以下)となっています。

 

現代の日本最新のデータとしても

40代後半の体外受精治療成績 

妊娠率:0-3% 

流産率:60%以上 

出生率:1%以下

(日本産科婦人科学会 ARTデータブック2015)

かなり厳しい状況となります。

 

この確率をどう捉えるかを主治医と一緒に考えなくてはなりません

 

ここが確率の難しいところです。

40代後半の厳しい状況でも出産した方を実際に見てきました。

妊娠した方々も最初は実際の確率を知り絶望し、ダメだと思いながら治療をしていた方々です。

まさか自分が妊娠するなんて思ってなかったわけです。

確率は全体を評価することができても、個人に適応することはできないんです。

どれだけ厳しいと言われていたとしても出産ができれば、その人個人にとっては100%の治療結果となるからです。

 

私は思います。

まず患者様は現状の自分の体に当てはまるデータを正しく知ること。

自分の体を一番理解してくれる主治医とその数値を一緒に目指す気持ちがあるかどうか考えること。

治療を開始するなら、自分の為に多くの選択肢を持ち、手段をとってくれるクリニックで治療すること。

 

私のクリニックではこの様にお話し、

妊娠を希望される方の最強のサポーターに立候補しています。

 

木下レディースクリニックHP  http://ivf-kinoshita.com