Q

いつもブログを拝見させていただいています。
30歳でPCOSで不妊専門のクリニックで治療中です。
PCOSは負荷試験で診断され、卵胞期にもネックレスサインがあり、
前回の周期は排卵できず遺残卵胞が大きくなりすぎたのでピルでリセットしました。

AMHは5.27で年相応と言われましたが、
PCOSでは高値になることが多いと聞き、卵巣年齢が相対的に低いのではないかと気になっています。

通院中のクリニックではもう少しタイミングでみて、うまくいかなければドリリングか体外受精の予定ですが,木下院長はAMHの値でプランを立てていくと伺ったので、
先生であればどれくらいの期間でステップアップをご検討されるのか教えていただけませんか?


また、先生の所には県外からも患者さんが来られますか?
九州で遠いのですぐには伺えませんが、うまくいかなければ一度診察いただきたいです。

 

 

A

こんにちはKinoshitaです。
できる範囲でまとめています。お役にたてれれば幸いです。

以下について説明させて頂きますね。
#30歳 PCOS AMH5.27
患者様の背景としては、治療を始めていく上では全く問題がない背景と言って良いくらいの状況です。この内容を見せて頂き安心したくらいです。

#卵巣年齢について不安
卵巣年齢という言い方もしますし、私たちはよく卵巣機能という表現を使います。
卵巣機能は卵子の数と卵子の質である程度の把握ができます。
○○さんの場合
卵子の数=AMH=5.27 どの年代で考えたとしても数に不安はありません。

安心してくださいね。
卵子の質=30歳とこれも十分の質をお持ちです。

日本産科婦人科学会の出す治療成績においても、私の携わってきた治療成績でも、30歳なら20代後半とほぼ変わらない妊娠成績が出せるはずです。
卵子の数、質、保存状況という面からの卵巣機能としては保たれているわけです。

○○さんの場合は卵子や卵巣機能が問題ではなく、
"この質の良い卵子をどう単一卵胞に近い形で排卵するところまでもっていくのか"
ここが一般不妊治療(タイミング・人工授精)の一番のポイントです。

○○さんの卵子の質は年齢で考えていいんですよ!!
今までの治療してくださったPCOSの患者様達がそれを証明してくれています。

#ドリリング
色々な先生には色々な専門分野があります。
なので手術の印象が良い先生はドリリングを勧められる先生もいらっしゃいますね。

ですが!!私は妊娠前に卵巣をわざわざ傷つける必要はないと考えています。
私にとってドリリングまでするということは、タイミング、人工授精だけを考えている患者様に対しての苦肉の策です。私からおすすめすることはありません。
卵子はどこに存在するかというと、卵巣の表面にほとんどがあるんです。
実際、卵巣の手術後に思った以上にAMHが下がってしまった方をたくさん見てきました。


質問内容を見ても、○○さんはすごく女性の体について理解され、現代の不妊治療についてもご理解されていると思います。
そういった方だからこそ、もしドリリングを悩まれているのであれば、実施する前に一度当院へお話しに来て下さい。

#○○さんへの 体外受精ステップアップについて
今の状況であれば、一般不妊治療(タイミング療法、人工授精)をしっかりやって問題ありません。そのかわり、リセットをするのではなく時間をかけてでも確実に排卵させることです。

30歳 PCOS AMH5.27
※じっくりと時間をかけてステップアップしていきたい患者様の場合
タイミング療法6回

(当院で排卵が確認されていたのであれば通院前のご自宅でのタイミングも含みます)
→人工授精6回
時間がかかるやり方なので、適宜AMHの再検をしながらプランを再検討して進めていく必要があります。

※妊娠率が高い状況を常に確保し、最短での妊娠を希望される患者様の場合
タイミング3から5回

人工授精3から5回
ここの回数は当院の治療回数による妊娠成績に準じて患者様と一緒にプランニングしていきます。

#県外からの患者様について
多くの方からご連絡頂いております。
もともと全国から来られる専門クリニックで勤務をしておりましたので、遠方からでも治療して頂けるプランをご提案できます。
一緒にご夫婦に合った治療プランづくり遠方からでも受診可能な治療期間の設定ができることが、当院の特色だと思っています。
ご夫婦に合った選択肢を常に広くもっておくこと!それが不妊治療の鉄則です。

 

8月5日(土)、6日(日)に行う木下レディース内覧会見学に来て頂ければと思います。詳細はまたアップさせて頂きます。

京都駅から電車約10分(膳所駅)

名神大津インターから車で5分の場所にあります。

木下レディースクリニック

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○○さんへ
私たちの業界に”絶対”は存在しません。
でも可能性が限りなく高い人には、やはり不妊治療の最前線を信じてもらいたい。
それが、私たち不妊治療に真剣に携わる医師の思いなんです。
不安や辛い時は不妊治療に携わる我々医療関係者を存分に使って下さいね。
良い結果を心から祈っています。