こんにちは!
胚培養士のMです😌
このたび、5月31日・6月1日に広島コンベンションホールで開催された
第66回日本卵子学会学術集会 に参加してきました!
この学会で培養研究部からは、5演題の口頭発表を行ってきました。
今回は、そのうち2演題について簡単にご紹介していきます!
1つ目のタイトルは、
「Day4胚盤胞における染色体異数性の出現パターン」です。
当院では、今までに培養4日目(Day4)に胚盤胞に到達した胚について研究を行っており、PGT-Aを実施する際、 Day4胚盤胞を優先的に生検することで、移植後の成績を低下させることなく効率的に移植可能胚が得られることが明らかとなっています。
今回の研究では、Day4で胚盤胞に到達した異数性胚とDay5で胚盤胞に到達した異数性胚の特徴を比較しました。
結果として、Day4胚盤胞はモノソミー発生頻度が低い傾向があり、特に3,4,6,8,10番の染色体にモノソミーを示す胚がなく、異数性の出現に特異的なパターンが存在する可能性が示されました。
このことから染色体のモノソミーは胚の初期発生に重大な影響を与え、発生遅延を起こす可能性が考えられます。
今後はDay4胚盤胞でモノソミーが検出されなかった染色体の生物学的意義や、その発現調節機構についての詳細な検討ができればと思っています!
2つ目のタイトルは、
「前核に対する第一分割の向きが分割期胚移植後の妊娠率に与える影響」です。
この研究では、前核に対する第一分割の向きが分割期胚移植における妊娠率向上の指標となるかを調べました。方法としては、第一分割の向きを2前核に対して平行、傾斜、垂直の3群に分類し、各々の分割期胚移植の妊娠率との関係性を後方視的に検討しました。
結果としては、今回の検討で前核に対する第一分割の向きが妊娠率向上の明確な指標となることは示唆されませんでした。しかし、垂直分割の胚が他の群に比べて高い妊娠率を示す傾向があり、第一分割の向きが胚の発生に与える影響を更に探るための基盤となる可能性が示されました。
今後は更に多くの胚の解析をすることで、妊娠率向上に寄与する因子として明確化できるよう検討を進めていきます!
今回のブログは以上です!
残りの演題については、次回のブログで引き続き紹介していきます☺
胚培養士M
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