こんにちは!

今回は11月に開催された生殖医学会にて当院から発表した演題の内容をご報告いたします。

私は『TE評価Cの胚盤胞に対してPGT-Aを行う意義』という演題を発表しました。

現在行っているPGT-Aは胚盤胞の一部の細胞を物理的に採取して検査を行いますが、採取する細胞はTE細胞と呼ばれる将来胎盤になる部分の細胞を採取しています。(図1)
※下記のブログでもPGT-Aについてご紹介しています
PGTとは…⁉ | 浅田レディースクリニック(東京/品川・愛知)
PGTのために胚培養士がおこなっていること | 浅田レディースクリニック(東京/品川・愛知)


図1 PGT-Aで採取しているTE細胞

しかし、直接細胞を採取するため胚へのダメージが懸念されます。そのため、TE細胞の数が少ない胚盤胞(TE評価がCの胚盤胞)に対して生検を行わない施設もあり、生検後のTE評価がCの胚盤胞における臨床成績および出産予後に関する国内外の報告はほとんどありません。
そこで、今回の発表ではPGT-Aを実施したTE評価がCの胚盤胞における移植後の臨床成績と出生児の先天異常への影響を調べました。

TE細胞の数が多い胚(TE評価がAやBの胚盤胞)に比べて妊娠率・流産率は低いものの、TE評価がC でPGT-Aを施行したものと施行しなかったものを比べると、PGT-Aを施行した方が妊娠率は高いことが分かりました。
また、TE評価がC でPGT-Aを施行した胚を移植して実際に出産された児の予後を見てみると、いずれの症例においても先天異常はみられませんでした。

もちろんTE評価がAやBの胚盤胞があればそちらを優先して移植した方が良いですが、TE評価がCばかりの胚盤胞しか選択肢にない場合はPGT-Aを検討した方が良いかもしれません。

TE評価がCの胚盤胞は移植の優先順位が低くなるため、移植される機会はなかなかありませんが、PGT-Aを実施したTE評価Cの胚盤胞が出産予後等に影響があるのか引き続き調べていきたいと思います。

培養研究部 FK


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