こんにちは
浅田レディースクリニックの薬剤師です！
妊娠希望の方は、まず妊娠初期の薬の影響について気になると思います。不妊治療では、自然妊娠の場合と異なり、妊娠週数の把握が正確な場合が多いです。月経周期が28日型の人の場合、最終月経初日から33日目ぐらいまでは、薬による胎児への影響を基本的には考えなくても良いです。
当院の妊娠判定は、基本的に最終月経から30～33日目に行っています。
そのため、当院としては、『薬をなるべく飲まないように気を付けるのは、妊娠が判明してからで良い』 としています。
ちなみに、自然妊娠の場合は、最もわかりやすい初期症状・兆候が「生理の遅れ」のため、妊娠発覚したときには妊娠5週以降ということがほとんどです。そのため、妊娠に気づかずに薬を飲んでいた！ということがよくあります。市販薬の場合、用法用量を守って適正な範囲での服用であれば影響を起こす可能性は低いだろうとされています。病院で処方された薬の場合、妊娠が判明した時点で、まず主治医に相談し指示を仰ぎましょう。
解熱鎮痛剤の使用についてお問い合わせ頂くことが多いため、
「不妊治療中・妊娠中の解熱鎮痛剤の使用について」のポイントをまとめました。
一般的に解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンと非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs：エヌセイズ）と呼ばれる2種類が有名です。
【不妊治療中】
※妊娠判定日までは、解熱鎮痛剤の種類問わず服用可能です※
解熱鎮痛剤とホルモン剤との飲み合わせは問題ありません。
病院で処方された薬、市販薬問わず服用できます。
(※市販薬のバファリンは商品名によって成分が異なります)
【妊娠中】
※妊娠中に薬を使用する際は、漫然と使用せず、最小限にとどめましょう※
妊娠中は昔から使用されており安全性が高いと言われている、カロナール(成分名:アセトアミノフェン)の使用を勧めています。 しかし、添付文書には妊婦（1）有益性投与と明記されているため、漫然と使用せず、最小限の使用にとどめましょう。
アセトアミノフェン単剤含有の解熱鎮痛剤はドラックストアでも購入することができます。
（1）有益性投与…治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること
★妊娠中の非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs：エヌセイズ）の使用について
【妊娠成立～妊娠中期（27週） 有益性投与で服用可のNSAIDｓ】
ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)、ブルフェン(成分名：イブプロフェン)などいくつかのNSAIDｓでは、妊娠成立～妊娠中期（27週）は有益性投与で服用することも可能ですが、妊娠後期(妊娠28週～出産まで)は胎児の動脈管収縮が報告されているため禁忌です。
また、有益性投与を行う場合の注意事項について厚生労働省より以下の通知がでています。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤 （経口剤、坐剤）を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある
厚生労働省から通知 「使用上の注意」の改訂について 薬生安発0225 第１ 号 令和3年2月25日
日本は妊婦健診で毎回エコーを行うため、羊水減少症について過剰に心配する必要はないと言われています。産科の先生に相談しながら服用するようにしましょう。
【妊婦（2）禁忌のNSAIDｓ】 (2）禁忌…投与しないこと
ボルタレン(成分名:ジクロフェナク)、インドメタシン(成分名：インドメタシン)、モービック(成分名：メロキシカム)などは、妊婦禁忌（妊娠しているすべての期間で飲んではいけない）となっているので特に注意が必要です！！！
妊婦禁忌の理由は以下の通りです。
ボルタレン錠25ｍｇ 添付文書
また、NSAIDｓについては内服薬だけでなく、坐薬、塗り薬、湿布などの外用薬も同様の報告がされているため、使用は避けた方が良いです。
体調が悪い場合は早めに受診し、できるだけ安全な薬を短期間服用し、早めに治す方が、赤ちゃんへの影響が少ない場合もあります。また、慢性疾患があり薬を服用し続ける必要がある場合は、事前に主治医に相談しましょう。
浅田レディース品川クリニック
港区港南 品川駅港南口より徒歩3分
浅田レディース名古屋駅前クリニック
名古屋市 名古屋駅桜通口より徒歩3分