こんにちは?
胚培養士のWです。

新型コロナウイルス感染症の流行拡大が収まらない中、今年も学会活動は通常とは異なる形態での開催を余儀なくされています。
7/15,16に開催された「第39回日本受精着床学会」では一部の発表者は会場である神戸の国際会議場から発表を行い、それ以外の発表者はzoomを用いたオンラインでのlive発表となりました。

今回私は、当院でも昨年から参加しているPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の臨床研究から得られたデータから「習慣流産症例では既往回数の増加により正倍数性胚獲得率が低下する」という演題の発表をzoom上で行いました。

内容としては、現在までに得られたPGT-Aの結果を基に、反復ART不成功症例と習慣流産症例において、それぞれ既往回数の多い少ないによって、正倍数性胚獲得率に差があるかを検証しました。検証の結果、習慣流産症例では、既往回数が多いほど、正倍数性胚率が低下する可能性が示唆されました。

 

 
2016年から日本産科婦人科学会により実施された、PGT-Aの予備研究の結果を報告した論文(Sato, et al. 2019 )では、PGT-Aを実施し、正倍数性胚を胚移植することにより、移植回数当たりの妊娠率、及び生児獲得率が向上するという結果が報告されています。
このことから、既往流産回数が多くて正倍数性胚率が低い症例ではPGT-Aが早期の妊娠、出産の助けになる可能性が考えられます。

我が国においては、2019年に臨床研究という形でPGT-Aの実施がようやく解禁されましたが、まだまだ歴史が浅く、諸外国と比較するとデータの積み重ねが圧倒的に少ない状況です。
そのため、当院では、今後も様々な視点からPGT-Aについて、検証を行い、患者様の一日でも早い妊娠につながるように努めます!!
 

 

 

Twitter

Instagram

Facebook

YouTube