こんにちは
浅田レディースクリニックの薬剤師です!

 

患者様から、「エストラーナがはがれてしまった!どうしたらいいですか?」とお電話を頂くことがあります。
はがれてしまったら、すぐに新しいものに貼り替えてください。
今日は、なぜ貼り替えるよう指示するのか、ご説明したいと思います。

 


エストラーナテープはどのように吸収されて、効果を発現するのでしょうか?
医薬品インタビューフォーム(略称:IF、製薬会社作成の情報提供書)によると、

 

『エストラーナ®は粘着性を持つ単層の膏体中に薬剤を分散させた経皮吸収製剤で、有効成分としてヒトの卵巣から分泌されるエストロゲンのうち最も生理活性が高い17β-エストラジオールを用いている。』
(出典:エストラーナテープIF 開発の経緯)

と記載があります。つまり、テープが接着している部分の皮膚から吸収され、血中濃度が上がるのです。
ではどのように血中濃度が推移するか、というとこちらの図のようになります。

 


(出典:エストラーナテープIF 薬物動態について)


こちらは「単回貼付時」とあるので、 ‘何も貼っていない状態から、エストラーナテープを貼り、48時間後にはがした場合 ’ のデータです。(貼り替えて継続した場合、血中濃度は安定します)
注目していただきたいのが、48時間で除去したあと、血中濃度が急降下しています。
ということは、「はがれてしまった場合も同じことが起こる」と考えられます。
そのため、「はがれてしまったらすぐに、新しいものに貼り替えてください」と指示しています。

※残念ながら48時間を超えて貼り続けた場合のデータはありません。私たちも知りたいところですが、メーカーでも実験していないそうです。

 


では、一部がはがれてしまった場合はどうでしょうか?
その場合も、新しいものに貼り替えるようにお願いします。
「テープが接着している部分の皮膚から吸収される」ということは、「間に障害物があると吸収されない」ということです。つまり、服の繊維や、ホコリなどがついてしまっていると、それが障害物となって吸収の妨げになります。
「テープのふちが浮いてきていて、このままだとはがれてしまうかも・・・」という場合は、上から絆創膏やサージカルテープなどで押さえて、はがれないように補強してください

 


はがれて新しいものに貼り替えた際、次の貼り替えはスケジュール表通りに貼り替えてください

 

これは、間違いの元だからです。例えば「4枚貼っているうちの3枚は今日貼り替えで1枚は明日貼り替え」としたり、スケジュール表と1日ずれて貼り替えたりして、貼り間違えるケースをなくすためです。また、移植前の枚数が増えていく段階など、貼り替え日の変更が難しい場合もあります。ご協力をお願いします。
次回診察日までの分が不足する場合は、クリニックまで取りに来て頂くため、お電話ください。
※薬剤料のほかに処方料・再診料が別途かかりますのでご了承ください。
心配な方は、あらかじめ多めに処方しますので診察時に申し出てください。

 


かゆみ、かぶれに関しては、薬剤師の豆知識19「エストラーナテープでのかゆみ・かぶれ」をご参照ください。

 

何かお気づきの点がございましたら、CSアンケートにてご意見を頂けると幸いです。
よろしくお願い致します。

 

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