皆様こんにちは!

胚培養士のR.Hです!

前回の培養室の1日では胚融解を紹介しました。
今日は融解後の胚についてお話いたします。


胚融解には前核期胚の融解と胚盤胞期胚の融解の2つがあります。

前核期胚では融解後に観察を行った後タイムラプスインキュベーターに入れ、成長過程の動画を撮影しながら分割期まで培養されます。

培養していた胚は移植当日に観察した評価の良い分割期胚を選択し、
以前ご紹介した"AH"の過程を経て移植が行われます。


一方で胚盤胞期胚は当日に移植が行われるため、
融解後に観察を行うと同時に"AH"を行います。


 

左側の写真は融解した直後の胚盤胞の画像です。
ご覧の通り細胞がギュッと収縮しています。

以前紹介したように分割期胚では菲薄化という透明帯を薄くするAHを行いますが、胚盤胞は分割期とは違い細胞が固まっている為中身がバラバラにならず、
融解後は収縮しているので透明帯と細胞との間に隙間があり、
レーザーを当てても細胞を傷つける恐れがないため
右側の写真のように透明帯に大きな穴を開けるAH(開孔)ができます。
(融解後に収縮しない胚盤胞もありますが、その場合は菲薄化を行います)


 
胚盤胞の透明帯に穴を開けると収縮状態から戻った際に
上の画像のように穴から細胞が飛び出てきます。


この透明帯から出た部分が子宮内膜にくっつき、そこから根を伸ばすように子宮内膜の奥へと進んでいくことで着床が起こります。




移植前にはこのような操作を行うことで着床が起こりやすい状態にし、妊娠する可能性が少しでも上がるよう工夫しています。


~胚盤胞AHのまとめ~
 

今回はここまでとなります!

これからも胚培養士の業務について解説していきます。

次回は胚凍結について紹介します。お楽しみに!

 


 


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