こんにちは
浅田レディースクリニックの薬剤師です!

花粉症の季節ですね。
花粉症の薬についての問い合わせが増えてきました。

日本気象協会によると、今年の花粉の飛散量は例年並み。とはいえ前年が少なかったため、関東や東海では前年比220~230%とかなり多くなっているようです。

出典)日本気象協会HP
https://tenki.jp/pollen/expectation/


Q. 不妊治療中、花粉症の薬を使用しても良いのでしょうか?

A.不妊治療中の抗アレルギー薬の使用は、特に問題ありません。


アレルギー性鼻炎の治療薬である抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬と、当院で処方する薬剤との飲み合わせは問題ありません。我慢せずに薬を使用してください。



★市販の抗アレルギー薬について
第一世代の抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミンマレイン酸塩など)は即効性がある一方で眠気等の副作用も出やすく、1週間以上の連用もおすすめされていません。
継続的に使用する場合、第二世代の抗ヒスタミン薬を選びましょう。

不妊治療中の使用の制限はありませんが、妊娠後の継続使用については、妊婦への投与の疫学研究結果や評価基準の記載がある薬の使用がおすすめです。

【第二世代抗ヒスタミン薬】

※旧FDA分類とは→ http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_03-02.html
※オーストラリア基準とは→ http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_03-03.html
※虎ノ門病院の基準とは→ http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_03-04.html


フェキソフェナジンは国内でも妊婦に比較的よく処方されています。セチリジン、ロラタジンは大規模研究でリスクが否定されているので、妊娠中に市販薬を服用する場合、この3剤から選ぶと良いでしょう。
また、妊娠中は市販薬ではなく、できるだけ耳鼻科へ受診して妊娠していることを伝えて薬を処方してもらうように心がけてください。


Q. 胚移植後は、花粉症の薬をやめた方が良いでしょうか?

A.薬を変更する場合でも、妊娠判明後の変更で問題ありません。妊娠中の服用については、主治医の判断となります。


★抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の服用により明らかな割合で奇形発生率が増えることはありません。下記の薬剤については添付文書で「妊婦禁忌」となっており、他にも「投与しないことが望ましい」と記載されている薬剤もありますが、これは製薬会社の姿勢や希望を示したものであり、実際の危険度ではありません。ネズミやウサギの動物実験で、ヒトの常用量をはるかに超える大量投与により奇形などの異常がみられていますが、ヒトでの症例報告はありません。
 

◆妊婦禁忌の薬 商品名(一般名)◆
・セルテクト(オキサトミド)
・リザベン(トラニラスト)
・アレギサール(ペミロラスト)
・アタラックス(ヒドロキシジン)


また、虎の門病院の相談事例によると、妊娠初期にセルテクト(オキサトミド)を服用した7人、リザベン(トラニラスト)を服用した5人、いずれも障害のない健康な赤ちゃんを出産されたそうです。


★海外ではクラリチン(ロラタジン)とジルテック(セチリジン)について妊婦での比較試験が行われており、奇形発生率に差がないことが示されています。

※日本の添付文書上では、以下の通り。
クラリチン(ロラタジン):妊婦への投与は避けることが望ましい
ジルテック(セチリジン):妊婦への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること


上記のように、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の妊娠中の危険度は低く、妊娠中に服用しても赤ちゃんへの影響はあまりないと考えられますが、鼻アレルギー診療ガイドラインでは、妊娠中の治療については点鼻薬や点眼等の外用薬を推奨しています。
お薬の継続については、主治医の指示を仰いでください。

 

 

 

 

 

 


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