1月27日の新聞記事に、厚生労働省が、不妊治療を受けた夫婦に支払われる費用助成について、治療件数や費用の情報を開示している医療機関での実施を条件とする方針を固めた、とありました。
"都道府県などが医療機関から情報を集め、4月にもHPで公開し適応する。
政府は少子化対策の足場として不妊治療の負担軽減を掲げており、自由診療で実態が見えにくかった治療の透明化を進める。"
これに対して、都道府県が、医療機関からどのように情報を集めるかが問題となります。
かつて読売新聞は、アンケートの形式で医療機関から情報を集め毎年記事を作成していましたが、その内容はひどいもので、治療件数を誇張した医療機関も多くあり、私の目から見てもおかしいものでした。
我々は、体外受精の情報について、1件1件を日本産科婦人科学会の登録システムに登録しており、登録しないと助成金対象指定医療機関になることができません。ですから、まずは日本産科婦人科学会に登録された情報のみで情報開示を行うことが、偽りのない良い方法ではないかと思います。
日本産科婦人科学会に情報を登録していないような医療機関であれば、それもはっきりさせておくべきでしょう。
そして、一口に情報といっても、その信ぴょう性が重要であり、その点では今まで各自治体が把握している助成金のデータでも十分ではないかとも思います。各医療機関のHPに書いているデータには、首をかしげるものが山ほどあります。不正確なデータが出回ることがないよう、真偽を確認してから表示してほしいというのが私のお願いです。
なお、助成金の引き上げは、当初は今年4月からとされていましたが、実際には今年1月から引き上げとなっています。4月からに先送りになり、3月まで患者さまが不利な状況が続く、ということではなくなったのはありがたいことです。
ただ、この決定は現場にはまだ十分に伝わっておらず、いつからどうするのか、自治体に聞いても答えが返ってこないのが現在の状態です。実務が追い付かず、自治体も困っているといった実情でしょう。
いずれにしても、さかのぼっての申請となり、これから1月の申請に対して準備をしていくことになりますので、皆様にはそのあたりをご理解いただければと思います。