みなさんこんにちは!

 

胚培養士のH.Tです!

 

この記事でも今年の日本生殖医学会にて当院から発表した演題について簡単に解説いたします。


タイトルは
『出産調査および1歳半予後調査から見た1前核胚由来胚盤胞の臨床的有用性』

す!!

 

一般的に正常受精卵と言われるのは、下の写真のようにお母さん由来の核(前核)が1つとお父さん由来の核1つの合わせて2つ核が見られる受精卵を指します。
 
正常受精卵:2前核


しかしながら、下の写真のように1つの核しか見られない受精卵が稀に観察されます。
 


1前核胚

 


この1つの核の中にお母さんとお父さん両方のDNAが入っている受精卵が存在し、これらの中には正常に赤ちゃんに成長する受精卵があることを当院ではこれまでに発表してきました。

 

今回は産まれた赤ちゃんの出産調査と1歳半の予後調査の結果をまとめ、1前核の受精卵から産まれた赤ちゃんと2前核の受精卵から産まれた赤ちゃんとで1歳半までの成長に違いはないことを報告しました。

 

少ない数ではありますが、これによって妊娠・出産に至る可能性のある受精卵を無駄にすることなく凍結保存できています!

 

今後も高い安全性を確保できるように研究を進めていきます!!