こんにちは。
最近急に寒くなり、秋めいてきましたね。
秋の情景は好きなのですが、
私は寒がりなので、朝の通勤が憂鬱になってきました。
さて、現在web開催されている第32回日本受精着床学会にて発表を行なっているので、その内容についてザックリご紹介させていただきます。
みなさん「抗核抗体」をご存知でしょうか。
抗核抗体は細胞に存在する「核」に対する自己抗体です。
当院では以前から抗核抗体のうち「抗セントロメア抗体」が陽性の方に、
成熟卵・正常受精胚の獲得減少が顕著に見られ、不妊の要因になっていることを報告してきました。また、その原因についても研究を続けています。(日本生殖発生医学会 第15回学術集会に参加します③)
今回の発表では、抗セントロメア抗体陽性と判明した症例のうち、ARTを施行後胚移植を行った妊娠・流産率の結果について解析した内容を発表しています。
当院では抗セントロメア抗体陽性患者への治療の戦略として、一つでも多くの成熟卵を獲得し、正常受精卵を1つでも多く得ることが有効だと考えています。これは昔から調節卵巣刺激による治療を盛んに行ってきた当院が、最も得意とするところです。
現在の不妊治療の現場では、高齢の患者さんが多く不妊症の原因がはっきりわかる方はほとんどありません。しかし、多くは高齢が要因となっていると考えられます。今後も様々な症例に真摯に向き合い、質の高い治療に貢献できるように努めていきたいと思います。
胚培養士 K