世の中、新型コロナウイルスの話題で持ち切りですが、
咳にまつわる私の経験を少しお話したいと思います。
今はだいぶ良くなりましたが、この3ヶ月以上咳に悩まされ続けています。
正月早々1月2日から、熱は出ないのですが酷い咳がでるようになり、
3、4日後には咳のしすぎでインナーマッスルが筋肉痛になったほどです。
薬を服用し一時的な炎症は改善したのですが、咳喘息の状態になってしまいました。
咳喘息は気道が過敏になり、何かの刺激で咳が出てしまうという症状が特徴です。
数年前まではたまに咳喘息になることがあり、炎症がひどい時はいくつか薬を服用し、
ステロイド吸入剤を使用することで1か月程度で治まっていたのですが、
今回は今でも時々咳が出る状態が続いています。
新型コロナウイルスの猛威を振るっている状況の中、歩いている時に少し
咳をしただけでも、周りの人が自分を避けていると感じたり、白い目で見られたりと、
非常に辛い思いをしています。
2月に鹿児島で学会に参加した際には、
初めと終わりは後方の席で講演を聞いていたものの、
咳が出るたびに人目が気になり、結局ほとんどの時間をホテルの部屋で過ごしました。
また、3月14日~15日には、私が大会長を務める日本生殖発生医学会が東京で予定
されていましたが、コロナウイルス感染拡大のため中止になりました。
3月以降は、ほぼすべての学会や研究会が中止になったため、咳を我慢しなければならない
場面が減り、少しは気が楽になったと感じています。
このような状況の中で見えてきたことがあります。
1,2月のうちは、ほとんどの人が、咳が止まらなくて大変ですね、と心配して声を
かけてくれていたのが、新型コロナウイルスが流行するにつれ、何となく私と距離を
とっているのかな? と感じるような人も出てきました。
咳をすることで、私がその人にとってどのような人間なのか見えてくるような気がします。
今、不妊治療専門クリニックは非常に困難な状況にあります。
当院では感染対策を万全にしたうえで診療を継続していますが、スタッフも患者さんも、
受け止め方は実に人ぞれぞれです。
危機に遭遇したとき、これまで見えなかったその人の一面を知ることが
出来るのかもしれません。
とにかく、今はスタッフ全員で力を合わせ、この難局を乗り切るしかありません。
なお、私は下の写真にある“アレルギーです”“喘息です”という缶バッジを購入し、
スマートフォン等に付けています。(残念ながら、“咳喘息です”の缶バッジはありませんでした…)
早く何も気にせずに咳ができるようになってほしいです。
というより何より、早く咳が治まるよう願うばかりです。