こんにちは!
胚培養士のS・Yです。
前回に引き続き、「女子カレLOVABLE」というWEBサイトに載っている浅田院長のインタビュー内容をご紹介します。今回は第2回の内容です!
「卵子の数」はなぜ知る必要がある?
Q「卵子の数」はAMHを測ることで知ることができる、ということですが、なぜ「卵子の数」を知る必要があるのでしょうか?
年齢(卵子の質)とAMHの値(卵子の数)のふたつを把握して、不妊治療を進める必要があるため、当病院では、全員にまずAMHの検査を受けていただいています。
「卵子の質」も大切ですが、肝心の卵がないと妊娠することはできませんから、まずは数を知る必要があるんです。
「私はまだ若いから、卵はたくさんあるはず」と思い込んでいる方が多いですが、それは違います。前回お話したように、卵子の数と年齢には相関関係がないのです。
AMHを測定して、「卵子の数」が極端に少ないと分かれば、そう分かった時点で卵子を採って保存しておいた方がいいかもしれない。
逆に「卵子の数」が多ければ、余裕をもってゆっくり進めていくことができるね、となるわけです。だから、治療を効果的に進めていくためにも「卵子の数」を最初に把握しておく必要があるのです。
卵巣年齢が高いからといって、妊娠しにくくなるわけではない
Q卵巣年齢が何歳までだったら妊娠が可能なのでしょうか?
ここがややこしいところなのですが、卵巣年齢は、「何歳相当の数の卵を持っているか」の指標です。「何歳相当の質の卵を持っているか」ではありません。
たとえば、20歳の女性の卵巣年齢が50歳相当だ、という判定が出たとします。そうすると、数は50歳相当で少ないとしても、質は20歳時点のものなのです。
卵巣年齢が高い場合、妊娠しにくくなるわけではなく、卵の数が少ないというだけの話なんです。
卵の経過年数は実年齢と同じですし、受精卵ができたら、その卵の妊娠率は実年齢に比例します。「卵巣年齢が高いからといって、妊娠しにくいとは言えない」という点は理解しておいていただきたいと思います。
子宮は古くならないため、若い卵子があれば妊娠は高齢でも可能。しかし……
Qでは、実年齢では何歳まで妊娠・出産が可能なのでしょうか?
子宮は古くなりませんから、「妊娠するかどうか」だけに関していうならば、あまり母体の年齢は関係ないんですよ。子宮の細胞は腸などの臓器と同じで、どんどん入れ替わっていますからね。
ただ、妊娠はできたとしても、高齢の場合、そのあとが大変です。血管が老化していますから、動脈硬化や妊娠性の高血圧になったり、合併症が増えたりといったリスクもあります。
ですから、何歳まで妊娠・出産ができるか、という質問にお答えするならば、50歳でも卵子を凍結していたり、卵子提供を受けたりしていても、妊娠だけなら可能です。ですが、その後が大変、ということになります。
ここまでが第2回インタビュー内容です。
卵子の数を知ることで効果的に治療を進めることができるんですね!
また、卵子の「質」と「数」両面を考慮する重要性がわかりましたね!
第3回のインタビューでは、卵巣年齢が高くなる(卵の数が少なくなる)原因や卵巣年齢を測るペースなど、「卵の数」についてより詳しく浅田院長がインタビューにお答えしています。
続きの内容もブログにアップしていきますね。
胚培養士 S・Y