受精着床学会に参加しました

先日受精着床学会へと参加させていただきましたのでご報告いたします。

今回の学会は新宿駅から徒歩5分ほどにある京王プラザホテルで行われました。

 

8/1・2の二日間行われ、来場者は合わせて1800人にもなり、
ホテルの宴会場を5つほど貸し切り、それぞれの会場で
様々なジャンルの発表が行われました。

参加者は自由に会場を出入りすることが出来、
気になる分野の興味のある発表を自由に聞くことが出来ますが、
聞きたい発表が同時に違う場所で行われる場合もありますので、
事前に優先順位を考えて行動しなくてはいけません。

一般口演は193題、ポスター発表は61題、
その他にも学会主催の講演などもあり、
いろんな会場を行ったり来たりと忙しかったです。


多くの発表が行われましたが、その中でもわかりやすく
最先端を走っているのがAI技術に関する報告です。


AIに関する技術は当院が早くから研究し、
これまでの学会でも何度か発表を行ってきました。

そもそも、不妊治療にAI技術ってどこに使われるの?
と疑問に思われることでしょう。


当院ではAI技術を受精確認時に応用できるよう、研究しています。

正常受精した際には
精子由来の核と卵子由来の核の二つが出現しますが、
その核の出現をAIに自動検出させようというものです。

当院の胚培養士は受精卵を正確に評価できるよう多くのトレーニングを
行っていますが、経験年数や個人の主観の違いの問題もあり、
人間にできる評価は100%正しいとは言い切れません。

そこでAIが自動で核の出現を判断し、100%正しい評価を
行うことが出来ればと考えました。

 
こちらが現在のAIによる前核確認の様子を表した画像です。

受精卵の真ん中にある虹色の2つの輪は、
人が前核を見て色を付けたのではなく、
AIが前核と認識し、自動で検出し色付けしたものです。

このようにAIが判断したものが一目でわかるようになっています。


今回の学会で当院からはAI技術を用いた正常受精卵の検出について発表と
学会からの依頼公演という形で情報発信を行っています。

当院はAI技術の中のDeep Learningと呼ばれる
人間の脳の神経回路のような深い構造を作り出し、
学習を繰り返すことで検出精度を大幅に上昇させる技術に着目し、
研究を重ねてきました。

現段階でAIによる正常受精卵の検出の精度は、
胚培養士にかなり近づいており、
一部の評価では胚培養士を上回る検出精度も見せています。

このAI技術を用いた新たな受精確認は当院が早くから目を付け、
率先して行っているものですので、これからも研究を続け、
精力的に学会でも発表していきます。



今回の学会参加で感じたことは、過去に発表された内容のものが
重複して出ているということです。

学会は最新の情報を世間に発表する場ですが、
一度発表した内容でも継続して行わないと数年後に
同様の内容の情報が発信されることがあります。

同様の発表がまた数年後に議論されると
三歩進んで二歩下がるように不妊治療の最前線が停滞してしまいます
そうならないように継続して正しい情報を発信し、
印象付けないといけないと感じました。


これからも学会での情報をお伝えしていきますので、
よろしくお願いします!

胚培養士H.R

 

 


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