こんにちは!

 
学会の会場内風景

浅田レディースクリニック理事長である浅田義正は、米国最初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事していました。

その後、帰国し、1995年名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始し、精巣精子を用いたICSIによる妊娠例の日本初の報告を行っています。その為、当院での治療にICSIは欠かせない治療方針となっております。

そこでですが、今日は体外受精(IVF)とICSIについて発表・報告がありましたので、内容について触れたいと思います。

O-228 ICSI does not offer any benefit over conventional IVF across different ovarian response categories: a European multicenter analysis
ヨーロッパにおける15か所の施設において大規模な分析を行ったところ、IVFとICSIを比較し平均受精率、胚利用率、生児出産率、累積生児出産率を比較したがいずれも統計的有意差は認められなかった。

O-229 ICSI is associated with lower live birth outcomes compared to IVF in couples having their first treatment cycle: A longitudinal analysis of 285,038 treatment cycles
体外受精と比較しICSIを試みたとしてもARTの初回治療周期における着床率、臨床的妊娠率および生児出産率は改善せず、むしろ低下した。

これも結論だけを見るとICSIしても変わらないの?むしろ生児出産率は下がるの?などの疑問が挙がってきますが、発表も聞き内容を詳細に確認すると、研究背景に致命的な問題があると感じました。

それは、ICSIの受精率です。

1つの発表は正常受精率についてICSIが61%に対してIVFは60%、もう1つはICSIでは68%、IVF群では64%を比較し差がないという報告です。

当院ではICSIの正常受精率は80%を超え、IVFの受精率と比較すると10%~15%以上もの高い値を恒常的に維持しております。

これは、1つでも多くの受精した胚を得る事ができるということであり、症例あたりの累積生児出産率の向上および採卵あたりの生児出産率の上昇が望め、IVFよりもICSIは治療法として有効という考え方もできます。

以上、長文閲覧ありがとうございました!!

培養研究部 Hiroya


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