1978年に初めて成功した体外受精。
試験管ベビーという偏見は今も続いていますが、偉大な先人のおかげで
私を含め多くの不妊治療に関わる医療者および多くの患者さんが、大き
な恩恵にあずかっています。
初めての成功から32年でやっとノーベル医学生理学賞を受賞したのも、
多くの偏見、宗教的問題があったからで、受賞式には本人は出席できず、
奥様が出席したことからも遅かった受賞の感は否めません。
私がアメリカにいた時、セロノ・シンポジアという会議があり、ノー
フォークで見かけましたが、当時の私は自分の英語力とあまりに偉大な
先生のため気おくれし、何も話しかけられず残念な思いをしました。
10年以上前まだ勝川のクリニックを開院する前ですが、淡路島で研究会
があり、その最後がEdwards先生の講演でした。
講演が終わった後、勇気をもって話しかけ、いっしょに撮った写真が
クリニックに今も掲げてあります。
今まで体外受精で500万人、600万人といわれる赤ちゃんが生まれました。
今日本で生まれている赤ちゃんの37人に1人は体外受精で妊娠しています。
素晴らしい先人方が、多くの偏見、パッシングと戦い、真っ直ぐ不妊治療
を切り開いて頂いたおかげで我々は今活動しています。
Edwards博士にあらためて感謝すると共に、ご冥福をお祈り致します。